ランダム振動試験の実験結果について
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ランダム振動試験の実験結果について
1. 目的
マイクロ波エンジンスラスタヘッドの打ち上げ時における機械環境への耐久性を
検証する。
2. 実験概要
2.1 実験日時 平成12年12月8日(金曜日)
2.2 実施場所 エミック株式会社 三島事業所
2.3 実験状況
ロケット打ち上げ時、エンジン噴流による音響振動は、ランダム振動として分離部
をとおして衛星に直接作用する。また、大気中を飛行するときは、遷音速飛行時の圧
力変動が音響となって、フェアリングをとおして衛星に作用する。これらのランダム振動
は衛星構体に二次的な振動をもたら し、二次構造や搭載機器に厳しい環境を与える
恐れがある。本実験はこの状況を模擬するため、振動試験機にランダムな入力を加え
て実施した。
2.4 実験器具
本振動試験の動作原理を図
2.1 に示す。電磁式振動試験装置はスピーカー
とアンプの組み合わせとほぼ同じ原理を用いている。図 2.1 に示されているように、自
動振動制御装置で作成した信号を電 力増幅器で増幅し、振動発生機に供給する。振
動を開始した振動発生機に締結した治具上の加速度ピックアップが振動を捕らえる。
振動は電気信号に変換され、プリアンプを経由し自動振動制御装置にフィードバック
される。自動振動制御装置は、波形のパターン、レベル等を補正して電力増幅器へ供
給する。この流れを繰り返し、予めセットした振動パターンになるように制御を繰り返し、
目標の振動条件になる作業を自動制御装置に内蔵されたCPUが行う。
また、本実験に使用した実験装置外観写真ならびにマイクロ波エンジンスラス
タヘッド外観写真を図2.2、2.
3にそれぞれ示す。
2.4.1 振動試験装置 F-1000BD/FA
振動試験装置の仕様を表2 .1に
示す。
2.4.2 圧電型加速度ピックアップ 702-B3(3方向), 701-B(1方向)
2.4.3 5チャンネルチャージアンプ
2.4.4 DCS-7800型デジタル振動制御装置
2.5 実験スケジュール
実験スケジュールを表2.2 に示
す。
2.6 計測項目
計測項目を表2.3 に示す。また、本実験におけるランダム振動パワースペクト
ル密度(PSD)をAT振動試験、QT振動試験について、それぞれ図 2.4、2.5 に示す。
ここでの許容幅(±1.5dB、±3.0dB)はMIL-STD-1540Cによる。
3 実験結果と考察
実験結果の概要を表3.1 に示す
。また、各軸加振の振動入力を図3
.1 から3.3
にそれぞれ示す。今回の実験の主目的であったランダム振動に対してのスラスタヘッ
ドの耐久性は各軸加振後にそれぞれ 確認された。以下に、各軸加振ごとの振動応答
結果の概要を述べる。
図3.1 に示されているように、
z軸方向QT加 振において、入力された振動は
図2.5 に示されている振動とほぼ一致している。これは実際にスラスタヘッド本体に打
ち上げ時の音響負荷が加わったこと を意味している。z軸方向QT加振後の外観チェ
ックでは中和器に付着されているカーボネートのはがれ落ちや外傷は観察されなかっ
た。またMSネジ(No.4)の計7本のトルクも維持さているのが確認された。以上から、z
軸方向加振について、スラスタヘッドの構造上の問題は発見されなかった。
図3.2 に示されるように、x軸
方向QT加 振においても、振動入力波形は理想
入力(図2.5)とほぼ一致し、加
振後の外観チェック、トルクチェックでも異常は発見され
なかった。
また、y軸方向加振においても、z方向、x方向加振と同様に、入力振動は設
定とおりであり、実際にスラスタヘッド本体に打ち上げ時の音響負荷が加わっているの
がわかる。y軸方向加振後の外観、トルクチェックにおいても、x軸、z軸加振後の結果
と同じく、異常は発見されなかった。
4 結論
本実験ではマイクロ波エンジンの スラスタヘッドにおいて、打ち上げ時の機械
環境への耐久性を検証した。x、y、zの各軸方向にランダム振動を負荷し、スラスタヘ
ッドの振動応答を測定した。それと同時に、目視による外観のチェック、中和器に付着
されているカーボネートのはがれ落 ちの有無を観察し、加えてMSネジ(No.4)のトルク
も管理して行われた。以下に本実験の結論を述べる。
4.1 打ち上げ時の機械環境(10-2000
Hz)でのスラスタヘッドの耐久性が確認され
た。
4.2 本振動試験後のスラスタ機能テスト では、正常の機能を示し、性能においても打
ち上げ時の音響環境に耐えることが実証された。
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