企業の"Transformation”を主導する『変革リーダー』を目指せ
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BCG流組織変革の手法
The BCG Way - Corporate Transformation
"トランスフォーメーション"を主導する「変革リーダー」を目指そう!
ボストン コンサルティング グループ
ヴァイス・プレジデント、ディレクター
杉田 浩章
企業には、大きな変化やジャンプが求められる瞬間が必ず訪れる。その瞬間を新たな成長に向け
た機会として捉えられるか 否かは、トップ層の決断力にかかっている。一方、その捉えた機会を中
長期にわたる変革につな げ、成果の果実に結びつけられるか否かは、「変革リーダー」としてのミド
ル層の力量に負うところが大きい。
ボストン コンサルティング グループ( BCG )では、新たな成長に向けた企業の抜本的な変革である
" トランスフォーメーション " の支援をさまざまな企業に対して行って きたが、具体的な支援プロジェ
クトの経験から得られた知見の一部 を、6回の連載を通じて解説する。
第1回では、連載の全体像を概説し、何が "トランスフォーマー"としての「変革ミドル」に求められ
る能力なのかをお伝えしたい。
------------------------------- Main Themes & Commentary Points - ------------------------------
01 : "トランスフォーメーション"を主導する「変革リーダー」を目指そう! "Transformer"
02 : 変革マップで変革の道筋を共有する "Pathways to Engagement"
03 : 求心力とオーナーシップを両立させる "Talent Management"
04 : 意思決定のスピードを上げる "Delayering"
05 : 部門間の壁をぶち破る "Cross Functional Leadership"
06 : チェンジモンスターとの戦いに勝つ "Change Management"
----------------------------------------------------------------------------------------------------------------
©ボストン コンサルティング グループ
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"トランスフォーメーション"で
企業は生まれ変わる
企業が新たな成長ステージに移り変 わるときには、それまでの企業戦略や事業オペレーション
のベースとなるバリューチェーンの見直しや組み替え 、さらにはそうした企業戦略を前提にした組
織体制や風 土、あるいは人材ポートフォリオの再構築を迫られる。トランスフォーメーションとは、企
業が今日まで成 り立ってきたベースとなる戦略、組織、システムなどを含む事業モデル全体を抜本
的に変換し、新しい企業体に生まれ変わるための一連の長い変革プロセスのことである。
市場の成熟 、規制緩和、テクノロジーの進化、消費構造の変化などの外的要因や、組織の官僚
化、社員の間での閉塞感の広がりやモチベーションの低下、世代交代に伴う経営スタイルの変化
などの内的要因によるさまざまな理由 から、企業にはトランスフォーメーションが必要なタイミングが
必ず訪れる。
現在 、日本の企業は、総人口の減少、所得階層の二極化、フリーターやニートなど新しい就業
意識層の拡 大、団塊世代の大量退職、民営化や規制緩和など、大きな変革を迫られる現象に直
面しつつある。今後5~10 年 の間に、こうした大きな潮流をチャンスとして捉えることができる企業と、
手をこまぬいたままそのリスクに飲み込まれていく企業とに分かれていくだろう。
まず、トランスフォーメーションが実際にどのように行なわれるかイメージしていただくために、BC
Gの経験を基に代表的な事例をいくつか紹介したい。
事例1:航空会社A社の企業風土改革
海外の航空会社A 社では、民営化をきっかけに民間優良企業として高い収益性と成長性を実
現することが求められていた。A社では、社員1人ひとりが企業の掲げるビジョンや戦略的方向性を
どれだけ共有しているか 、また、そのビジョン達成に向けての変革にどれだけ動機づけられている
かを徹底的に 調査した。その結果、組織が変革にチャレンジできる風土を十分に持ちえていないこ
とが判明した。そこで、A社の経営層は、ミドルを巻き込んだ組織風土変革プログラムを始動させる
ことを意思決定した。
以来、組織の簡素化や人事制度の変革、さらには新規事業の立ち上げなど、長年にわたってさ
まざまな変 革プログラムを実践してきた。その結果、既存の資産を活かした新規ビジネスやまったく
コスト構造が異なる新たなエアラインの立ち上げなど を実現し、進取の気性に富み、新たな取り組
みに動機づけられた社員に支えられた企業へと生まれ変わっている。
事例2:ホテルチェーンB社の多様化・グローバル化
も ともと自国マーケットを中心に、普通より少々高めの価格帯を狙った特定ブランドのホテルを展
開していたB社は 、新しいトップの就任を機に、高い成長を実現できる企業へと抜本的に変革する
ことに着手し た。まずは市場を徹底的に分析することで、ラグジュアリーホテルから低価格のビジネ
スユースまで 、5つの異なる市場セグメントを見つけ出した。そして、異なる5 つのブランドを立ち上
©ボストン コンサルティング グループ
2
げ、セグメントごとに異なる事業フォーマットを確立して、ホテルチェーンビジネスを広げていった。
さらには 、自国マーケットにとどまらず、確立された 5つのブランドと事業フォーマットを引っさげてグ
ローバルに展 開し、さらなる成長機会を勝ち取っていった。その過程においては、優秀な若手の抜
擢やグローバル人材の活用 、あるいは、M&Aやアライアンスなど成長を加速させるための打ち手
を駆使できる新たな能力の獲得など 、組織能力向上のための変革を併せて実践してきた。こうして
身につけた組織能力が、急成長を実現する大きな牽引力となっている。
事例3:消費財メーカーC社の次世代経営体制への変
革
C社では、創業者社長の交代に伴い、先代社長の独特の経営観や組織掌握力といったカリスマ
的な属人性に頼る成長から脱し 、もう一段大きな成長を実現するために、新しい経営インフラの構
築および人材育成の加速に取り組ん できた。この改革は、若手ミドルを含む次世代経営チーム主
導で進めてき た。まずは、自社の守るべき強みと新たに獲得すべき強みを定義し、変えるべき要件
を社内で徹底して議論し 、共有化した。その上で今後 10 年間にわたって目指すべき方向性を、
『ありたい姿』として定義し、それを実現するための長期にわたる変革プログラムを策定し、始動させ
た。数年に及ぶ世代交代プログラムには、事業ドメインや顧客・商品体系の整理、新組織体制の構
築、新たな人事制度・人材育成プランの策定、企業カルチャー変革の諸施策など、経営全体にわ
たるさまざまな要素 が組み込まれていた(図表1)。その結果、C社は極めてスムーズに世代交代を
実現するとと もに、その後も持続的な成長を達成している。それを支えているのは、優れた戦略構
築もさることなが ら、企業の経営インフラとしての組織・人材の能力向上への長期間にわたる抜本
的な取り組みと、さらなる強い組織作りに向けた不断の努力である。
次世代経営体制への変革
消費財メーカーC社の例
経営幹部
新社長
研究開発
広告宣伝
マーケ
ティング
生産
中堅社員
前社長
①新たな経営体制構築に
向けた現状課題の診断
→戦略監査
①新たな経営体制構築に
向けた現状課題の診断
→戦略監査
③新たなビジョンを実現する
ための経営幹部の
ケイパビリティ強化
→アクションラーニング
③新たなビジョンを実現する
ための経営幹部の
ケイパビリティ強化
→アクションラーニング
図表1
図表1
社長交代の前後4年以上に わたり、次世代経営層による
新たな経営スタイ ル・モデルへの転換を図った
社長交代の前後4年以上に わたり、次世代経営層による
新たな経営スタイ ル・モデルへの転換を図った
⑤部門ごとの個別戦略の
見直しと実行
→個別テーマごと
⑤部門ごとの個別戦略の
見直しと実行
→個別テーマごと
出所:ボストンコンサルティンググループ
②新たな経営体制に向けた戦略
+組織の「目指す姿」の構築
→ビジョン策定
②新たな経営体制に向けた戦略
+組織の「目指す姿」の構築
→ビジョン策定
④中堅社員への新たなビジョン
の浸透とケイパビリティ強化
④中堅社員への新たなビジョン
の浸透とケイパビリティ強化
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以上の事例でも明らかな ように、トランスフォーメーションは企業が生まれ変わるためのロングジ
ャーニーであ る。また、企業の持つ組織的な強みの再認識や再定義を促し、従事する社員全体に
関わる企業風土の変革 を迫るものである。全社員を巻き込んだ壮大なプログラムであり、上と下を
つなぐ、その中核としてミドル層の果たす役割は極めて大きい。
戦略を実行するには
組織の能力向上が不可欠
優れたパフォーマンスを上げられる企業に生まれ変 わるためには、"勝てる戦略"に加えて、"強
い組織"を作り上げることが不可欠だ。しかし、「勝てる戦略を描けさえすれば、それでうまくいく」と
勘違いしている企業は案外多 い。勝てる戦略を作っても、それをやり遂げる組織が整っていなけれ
ば変革は決して成功しない 。戦略を推進し、実行していく人・組織のケイパビリティを高めるための
取り組みが欠かせない 。誤解を恐れずに言えば、最初は完璧な戦略でなかったとしても、それをや
ってみて、学んで、修正できる強い組織を持っている企業のほうが、変革の成功確率は格段に高
まる。トランスフォーメーションにおいては、戦略と組織とをワンセットにして取り組むことが必要だ。
組織変革能力を高めていくために は、さまざまな機会を通して経営幹部やミドルマネジメントが
変革の必要性について同じメッセージを発し続け 、社員の意識面での啓蒙を図っていくことはもち
ろん重要で ある。しかし、それだけでは十分ではない。大きな変革を成し遂げたいという強い意志と、
成し遂げられる高い実行能力を持った組織に変えていくために は、3つの要素が不可欠だ。1つめ
は、自社の抱える組織・人といったソフト面の課題がどこにあるのかを突き詰めるためのノウハウ。2
つめは、その課題領域に対する効果的な打ち手が何であるのかの理解。3つめは、どうやってその
打ち手を実行し、社員の意識・行動をセットで変えていくかという手法である。
『組織能力向上』のための
5つの領域
組織能力を高めていくための具体策については第2回以降で詳細を解説 するが、今回はその
全体像とそれぞれのアプローチの要諦を少し紹介したい。
変革マップで変革の道筋を共有する "Pathways to Engagement"
あなたの会社や部門では、本音で次のように話す社員は一体何人いるだろうか?
「うちの社員は、チャレンジ精神や変革意欲にあふれ、みんな熱心で前向きです」
「私たちには大きな裁量権が与えられています。個人やチームの成果に対する評価基準や報酬
体系も明確で、とても動機づけられています」
「社内の連携も大変良く、全社で目指すべきありたい姿や価値観が共有されています」
"強い組織"を作るための第一歩は、自社の組織が現状どういう位置にいるのかを明確に理解す
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ることである。"Pathways to Engagement"(P2E)は、『規律』=責任の所在が明確な場であるか、『動
機づけ』=意欲あふれた従業員に支えられているか、という2つの軸で、自社の社員が認識してい
る組織の『現在地』を評価する手法である。そして、自社が抱える大きな課題や特有の強み・弱み
を、部署・階層・地域別に診断することで、手を打つべき重要な領域を特定し、フォーカスすべき打
ち手やその手順を固めるためのベースとなる材料を提供する。
『トランスフォーメーション』を成功に導くためのファーストステップとして、改革の道筋を全社レベ
ル、あるいは部門レベルで描き、それを組織全体で共有化するうえで、このP2Eのアプローチは極
めて有効といえる(図表2)。これについては、連載第2回で詳述する。
"規律" ×"動機づけ" マップ上での現在地を診断
"Pathways to Engagement"
診断ツールを使用し現在地を特定する
z社員意識調査
zデータ分析
z管理職インタビュー/
従業員フォーカスグループ
現在地を診断する
1
打ち手とチェンジマネジメント手法を
駆使し改革を推進する
現在地から 、いかに組織を強化して
いくか道筋を計画する
z
打ち手の内容とタイミング
z
その際、組織固有の事情を
深く勘案
2
3
"わが社ならでは" の改革の道筋を描く
道筋に沿って改革を推進する
現在地
現在地から改革
の道筋を計画
打ち手の実行
チェンジマネジメントを
通じた"勢い" の醸成
P2Eスコア・サマリー
P2Eスコア・サマリー
規律
動機づけ
出所:ボストンコンサルティンググループ
図表2
図表2
求心力とオーナーシップを両立させる "Talent Management"
企業のトランスフォーメーションの実現に 向けて、組織変革の意欲を高め、実行力を上げるため
には、人事制度全体の再構築が必要になるケースが多い。企業としてのありたい姿に向けて意識・
行動のベクトルを一致させる。あるいは、新たな戦略実現のために、時には過去のやり方を否定し、
新しいやり方にチャレンジ する。さらには、個人最適、部門最適を超えて、ワンカンパニーとしての
全社最適 、グループ最適を優先させる。このような求心力を高めるためには、何を評価し、どういう
行動をとった人にどう報いるのか、あるいは誰をどう登用・活用していくのか、さらにいうならば贔屓
するのか、といった、人に対する思想・体系をいま一度抜本的に考える必要が出てくる。一方で、
求心力を高めようと規律でガチガチに縛る人事思想だけ では、社員がオーナーシップを持って自
©ボストン コンサルティング グループ
5
らの課題として取り組もうとする推進力は生まれない。
オ ーナーシップ、すなわち社員のやる気を高め、その結果として各人の持つ能力を 120%引き出
しつつ、そのパワーが 1つの目標ベクトルにそろって発揮される土壌を作り出すためには、"勝てる
戦略"と固くリンクした人材マネジメントへの思想・仕組みの変革がキーレバーになる場合が多い。
連載第3回では、求心力とオーナーシップを両立させる"Talent Management"について考える。
意思決定のスピードを上げる "Delayering"
連載第4 回では、意思決定のスピードを上げる"De layering"(=管理体制の簡素化)の考え方を
紹介する。
深い管理階 層、細かく分けられた管理スパン、あるいは意思決定構造が不透明な組織は、中長
期にわたる大きな企業変革であるトランスフォーメーションの実現を 阻む壁である。1つの意思決定
に関与する人の数が増えれば増えるほど 、情報はいいように解釈されゆがめられ、意思決定される
中身はどんどん丸くなって いく。組織の硬直化、官僚化、前例主義化、あるいは自己肥大化といっ
た課題を抱える企業は 、組織ピラミッドの再構築に着手して、情報の流れをシンプルにし、意思決
定のスピードを上げていくことが必要だ 。オフィシャル、アンオフィシャル両面での管理階層の削減
と適正な管理スパン (担当領域および管理する部下の数)の見直しによって、情報の流れもシンプ
ルになり、変革のベクトルをゆがめず、変革スピードを落とさない意思決定が図られるようになる。
組織ピラミッドの再構築には、現状の構造をマッピングし課題を監査する手法と、トップ主導の実
行プロセスが不 可欠だが、実現するには実はミドル層が鍵を握る。矢面に立ち、自らの層が痛みを
伴うミドル自身 が、自らの課題を分析し、あぶり出された問題を深く理解し、変革の必要性に対して
オーナーシップを持つことが求められるからである。
部門間の壁をぶち破る "Cross Functional Leadership"
我々の経験から言うと、トランスフォーメーションを実現するクリエイティブなアイデアや大きな変
革インパクトをもたらすネタは、部門間の隙間に潜んでいることが多い。なぜか?
企業が今までと同じ固まった 事業モデルの中で成長し、収益性を高めていくのであれば、明確
に定義された部門ごとのミッションを追求 し、昨日までのやり方を磨き込むことに集中したほうが効
率性が良い。かつての長い成長期にこういうやり方をずっと続けてきたことが、部門間の壁を作り上
げる結果とな った。さらには、互いの部門に口を挟まないといった、ある種の居心地の良さを生み
出す暗黙の了解や、わからないので口を挟めないといった現実が、さらに部門間の壁を高くしてい
ったのである。
大きな変化を生み出す必要がある現代におい て、あるいは変革へのジャンプが必要な企業にお
いて、部門間での活発なコラボレーションとせめぎ合いを意図的にうまく実現できることは、"強い組
織"に生まれ変わる重要な条件の1つである。
1つのミッションを共有して 、部門や担当を超えて知恵を出し合える関係や場、さらには有機的な
組織をどう構築していくか。また、部門内で上下をつなぐ要となり、さらには部門間のコラボレーショ
©ボストン コンサルティング グループ
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ン推進の接着剤となる「T型マネジャー」を何人育成できるか、というソフトの側面が重要となる。
部門間の壁をぶち破る"Cross Functional Leadership"を連載第5回で考える。
チェンジモンスターとの戦いに勝つ "Change Management"
連載第6回(最終回)のテーマは、チェンジモンスターとの戦いに勝つ"Change Management"だ。
大きな企業変革の道程に おいて、変わることへの抵抗感からその改革を妨害したり無視したりす
る抵抗勢力 や無気力勢力が現れる。我々は、"変わる"ということに対するネガティブな感情から改
革の阻害要因になる人々や、企業全体に潜むそうした感情そのものを『チェンジモンスター』と呼
び、このようなソフトな側面を変革するための改革プログラムの構築と実行の重要性を説いている。
実際、部門の中核としてリーダーシップを発揮している優秀なビジネスパーソンですら、こうした改
革を阻むチェンジモンスターに変身することは決して珍しいこと ではない。むしろ今までのパラダイ
ムの中で高く評価されてきたようなエリー ト・ミドルこそが、変革において最もマネージが難しい抵抗
勢力になるリスクを秘めている。
ソフト面の改革プログラムの策定におい ては、自社内にどういった類のチェンジモンスターが巣く
っているか、すなわち、長年の間にどんな暗黙のルールや行動規範、感情が企業を支配するよう
になって いるか、また誰のどういう発言やそうした発言があったらしいという噂が企業の方向性に影
響を及ぼして いるか、といったチェンジモンスターの棲息状況を理解することが不可欠である。そう
した企業の底に潜む本質的な課題に手を突っ込んでモンスター退治を敢行しない限 り、長期にわ
たる企業のトランスフォーメーションの成功はありえない。
『トランスフォーマー』として
変革ミドルを目指そう!
企業変革の成功の黄金律として、我々はよく『3割の法則』という表現を使う。要は、3 割の社員が
改革の趣旨を理解して賛同し 、よしやってやろうという意欲を持つところまで持っていければ、経験
的に改革は 成功する。誰もが賛同する内容ならば、それは改革とはいえないものだし、逆に、ごく
一握りの社員の理解しか得られないなら ば、組織に改革のうねりは生まれない。この3割の改革派
を作り上げるうえでミドルの果たす役割は計り知れない。
ま た、我々は『段々滝』と呼ぶ、変革を阻む組織の目詰まり構造を、プロジェクトの中で示すことも
多い(図表3)。段々滝は上から下に流れていく。また、最初は小さな流れが、下に落ちていくに従
って徐々に大きなうねりとなって流れてい く。大きな流れになれば、滝の下のほうで少しぐらい目詰
まりがあろうが 、障害物があろうが、水の勢いで洗い流されていく。しかし、その目詰まりがもし滝の
上のほうに 、しかもいくつもあれば、水の流れは阻害され、段々滝としての勢いはなくなってしまう。
実は企業変革がうまく進まないケース では、経営層やミドル層が変革の障害になっていることが多
い。
©ボストン コンサルティング グループ
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組織の目詰まりは経営幹部層から始まる
経営幹部
一般社員
ミドル
段々滝改革の必要性
段々滝改革の必要性
図表3
図表3
3割の法則に しても、段々滝にしても、変革意欲にあふれたミドル層の存在の有無や厚みが、企
業のトランスフォーメーションの成功確率を左右することを示唆してい る。既存組織のマネジメントと、
新しい組織への変革のマネ ジメント、一見二律背反するマネジメントをいかに乗り越えていくか、『ト
ランスフォー マー』として変革ミドルに期待される役割は大きい。
(「Think! 」 Spring 2006 No. 17に掲載)
本稿の無断転載・引用を固くお断りします。
©ボストン コンサルティング グループ
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ウエッブサイト:-------http://www.pdffind.com/pdf/ab99c/
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