集合住宅用データ通信システム
-->
日本の第三世代携帯電話の現状と動向
06/17/2004 MM-17-5 森島
1. システム概要・サービス [1][2]
(1) 第三世代移動通信システムのサービス概要
第三世代移動通信システムが目指すサービスの主な特徴は、以下のとおり。
- グローバルサービスの実現(様々な利用形態、地域を超え利用可能)
- マルチメディア通信サービスの提供(インターネットとの高い親和性)
- 固定網と同等な高品質なサービスの提供
- 高い周波数利用効率の実現(既存システムと同等以上の周波数利用効率)
図 1 第三世代移動通信システムのサービスイメージ
なお、第三世代移動通信システムの導入当初のデータ伝送速度は、少なくとも、
高速移動環境:回線モード64kbps、パケットモード144kbps
低速移動環境:回線モード64kbps、パケットモード384kbps
室内環境 :回線モード64kbps、パケットモード384kbps
程度までのサービスが期待されており、将来的には、2Mbps程度までのデータ通信のサービスを提供。
(平成11年9月 電気通信技術審議会次世代移動通信方式委員会報告より)
(2) 一部答申の対象とする無線伝送方式の考え方
ITU勧告の対象となっている技術のうち、今回の一部答申の対象としているのは、符号分割多元接続(CDMA)方式で、送受異なる周波数を使用する通信方式(周波数分割複信(FDD)方式)を使用するもの。
具体的には、1キャリアを直接広帯域に拡散させ伝送させるDS-CDMA(Direct Spread-CDMA)方式と、下り回線において、拡散された1又は複数のキャリアにより伝送するMC-CDMA(Multi Carrier-CDMA)方式が対象。
なお、MC-CDMAについては、上り回線のチップレートが1.2288Mcpsとする方式とその3倍の3.6864Mcpsの場合に分類され、それぞれ1X、3Xと呼ぶ。なお、ITUが検討対象としている方式のうち、CDMA/TDD方式やTDMA方式については、今回の一部答申の対象とはせず、ITU等における国際的な検討状況や具体的ニーズの動向等を踏まえつつ、今後必要に応じて対応。
図 2 一部答申の対象とする無線伝送方式
(3) サービス予定 [3]
NTTドコモは2001年5月東京圏、Vodafone(J-Phone)は2002年12月に東京圏・関西圏、KDDIは2002年4月から東京圏・関西圏でサービスをしている。
無線アクセス方式としては、NTTドコモとVodafoneでは「DS-CDMA(W-CDMA)」方式を、また、KDDIでは、2002年の春から現行のcdmaOne方式を拡張したcdma2000「1X」方式で144kbpsのサービスを提供し、先行するNTTドコモに対抗する。携帯各社IMT-2000 導入時期一覧を表1 へ示す。
表 1 携帯各社IMT-2000 導入時期一覧
グループ名
開始時期
開始地域
エリア目標
NTTドコモ
グループ
2001年 5月試験
中央 (東京23区、横浜市、川崎市)
2003年9月までに人口カバー率99%
2001年
12月
東海、関西
2002年
4月
北海道、東北、北陸、中国、四国、九州
Vodafone
グループ
2002年
6月試験
12月サービス
東京、東海、関西 (東京23区、横浜市、川崎市、千葉市、浦和市、大宮市、など)
2004年末までに人口カバー率90%
2004年 10月
北海道、東北、北陸、中国、四国、九州
KDDI
グループ
2002年 4月
東京、関西
2005年末までに人口カバー率90%
2004年
3月
九州、中国、東北、北海道、北陸、四国、沖縄
(4) 無線システムの一般的・技術的条件
DS-CDMA、MC-CDMAのそれぞれについて規定。概要は表
2 のとおり。
表 2 無線システムの一般的・技術的条件
DS-CDMA
MC-CDMA
無線周波数帯
ITUでIMT-2000用として割り当てられた2GHz帯の周波数
キャリア設定周波数幅
100kHz又は200kHz
50kHz
送受信周波数間隔
上り回線用周波数に190MHzを加えた周波数を下り回線に使用
アクセス方式及び
通信方式
下り回線:CDM(符号分割多重)方式/FDD(周波数分割複信)方式
上り回線:CDMA(符号分割多元接続)方式/FDD方式
変調方式
基地局
データ変調方式:BPSK,QPSK
拡散変調方式:BPSK,QPSK
チップレート:3.84Mcps
データ変調方式:BPSK,QPSK
拡散変調方式:BPSK,QPSK
チップレート:1.2288Mcps
移動局
データ変調方式:BPSK,QPSK
拡散変調方式: HPSK,BPSK,
QPSK
チップレート:3.84Mcps
データ変調方式:BPSK,QPSK
64次直交符号変調
拡散変調方式:OQPSK,HPSK,
BPSK,QPSK
チップレート:1.2288又は
3.6864 Mcps
パイロット
伝送方法は時分割多重又は
符号分割多重
共通パイロット及び個別パイロットあり
伝送方法は符号分割多重
共通パイロット及び個別パイロットあり
基本フレーム長
5、10、又は20ms
5、10、20、40又は80ms
基地局間同期(基地局パイロットのタイミング)
オプション(同期をとる場合、
タイミングは10μs以内)
同期は必須(タイミングの誤差
許容値は±10μs以内)
占有周波数帯幅
5MHz以下
4.6MHz以下
最低運用帯域
5MHz×2。将来の拡張を想定し、20MHz×2の確保を考慮
空中線電力(移動局)
24dBm以下
24dBm以下(等価等方輻射電力)
空中線利得(移動局)
3dBi以下
規定しない
空中線電力制御
周波数有効利用の観点から必要最小限に制御できること
隣接チャネル漏えい電力
周波数離調が5MHz、10MHzにお
ける値につき規定
(スプリアス発射で一元的に規定)
スプリアス発射の許容値
離調周波数に応じ規定。
ただし、PHS帯域内で離調周波数12.5MHz以上の場合
-41dBm/300kHz以下
その他
・第1種電気通信事業者の公衆通信網と接続可能であること。
・パケット通信が可能であること。
・マルチパスを個々に分解して受信・合成するRAKE受信の適用。
・電磁環境対策への配慮、電波防護指針への適合
2. NTTドコモ 第三世代移動通信システム[3][4[5]][6][7]
(1) サービスブランド名を決定 <2000.11.30>
NTTドコモ及びドコモグループ8社は、この度、2001年5月末に予定している第三世代移動通信システム(IMT-2000)のサービス開始に先立ち、サービスブランド名を決定した。
1) 名称: 「FOMA」 (読み方:フォーマ)
2) ネーミングの意図
FOMAとは、Freedom Of Mobile multimedia Access(自由なモバイルマルチメディアへのアクセス)の頭文字4字から構成される造語であり、W-CDMA方式がもたらす新世代の移動通信環境のもとで、様々なマルチメディア通信を通じて「いつでも、どこでも、誰とでも、どんな情報にでも」自由自在にアクセスできる、モバイルコミュニケーションの理想に限りなく近づいていこうとする意志を表しています。
また、FOMAのFには、Frontier(モバイル・フロンティアへの挑戦)、Future(モバイル通信の未来型)、Flexible(フレキシブルなモバイル通信)といった、W-CDMAの可能性をあらわす意味も含まれています。
(2) NTTドコモ FOMAサービスの概要 [3]
1) FOMAサービスの特徴 ・ IMT-2000規格のDS-CDMA*1 (W-CDMA)方式を採用し、干渉・雑音に強く高い通話品質を実現。
・ 最大384kbpsの高速パケット通信により様々なアプリケーションが実現。
・ FOMAカード(UIMカード*2)の差し替えにより、TPOに応じて端末を取り替えることが可能。
TV電話、映像配信サービス等モバイルマルチメディアサービスを提供。
データ通信速度(サービス開始時)は表 3 に示す。
表 3 データ通信速度
回線交換
64kbps
パケット通信
上り最大64kbps、下り最大384kbps ベストエフォート方式*3による提供
*1 DS-CDMA: (Direct Spread-CDMA)直接拡散方式CDMA
*2 UIMカード: (User Identity Moduleカード)携帯電話等に差し込んで使うICカード。
内部に電話番号等加入者情報が書き込まれている。 端末の取り替えがカードの抜き差しにより可能となる。
*3 ベストエフォート方式: 伝送路の混雑具合に合わせて、通信速度が変動する方式
2) エリア展開
2001年5月末頃の試験サービス開始時には東京23区内と横浜・川崎地区の一部の地域。
2001年12月頃より大阪・名古屋地区でのサービス提供。
2002年4月頃より全ての地域ドコモ各社でのサービス提供。
3) サービス開始時の導入端末
表 4
サービス開始時の導入端末カテゴリと特徴
端末カテゴリ
特 徴
小型基本端末
携帯性を重視した小型端末。音声通話だけでなく次世代版iモードサービスや高速パケット通信に対応
動画像端末
TV電話機能を搭載したカメラ付き携帯端末。小型基本端末の機能に加え、映像配信等モバイルマルチメディアサービスに対応
データ通信専用端末
データ通信に特化した端末。高速パケット通信に対応
「
FOMA Mobile Card N2
」
「
FOMA Mobile Card N2
」
「
FOMA Mobile Card N2
」
「
FOMA
カード」
図
3
「左から
FOMA N2001
(シルバー)、
FOMA N2001
(レッド)、
FOMA P2101V
(ブルー
/
ゴールド)、
FOMA P2401
」
FOMA USB Cable
図
4.1
FOMA(2002/12)
連続通話時間約
110
分~
130
分、連続待受時間約
170
時間~
180
時間とスタミナが大幅に向上(左からN2051,
F2051, P2102V)
FOMA USB Cable
P900i
N900i
D900j
F900i
図
4.2
FOMA 900i カメラ(100~200万画素)、
TV
電話機能、連続通話時間約
140
分~160分、連続待受時間約43
0
時間~500時間
図
4.3
カード型
P2401
カード型
受信最大384kbps/送信最大64kbps
P2402
カード型
コンパクトフラッシュ型
受信最大384kbps、送信最大64kbps
F2402
カード型
送受信最大384kbps
SN900i
4)
FOMAサービスにおける特徴的なアプリケーション
・
次世代版iモードサービス
・
TV
電話サービス
・
高速インターネット/イントラネット接続サービス
・
映像配信サービス
・
音声通信とパケット通信を同時に行えるマルチコールサービス
5)
料金等
http://foma.nttdoco
mo.co.jp/charges/plan/list/index.html
を参照
データ専用プランを参考用に抜粋する。
*
基本使用料:データ専用プラン(月額)
2,200
円
※
音声通話はご利用になれません。
*
パケット通信モードの通信料
:パケットパックなし:0.2円/パケット
表
5
FOMAサービスのパケット通信モードの通信料
3
.
KDDI
cdma2000
[10][11]
[12][13]
(1)
cdmaOne
から
cdma2000
へ
cdmaOne
のさらなる進化を目指して、KDDIはもう動き始めている。快適な通話品質と優れたサービスで加入者数の拡大が続く
cdmaOne
は、
21
世紀を迎え、さらに新しいコミュニケーションツールへと生まれ変わりる。いつでもどこでも、欲しい情報に、自由に快適にアクセスできる・・・そんな理想のモバイルを実現するキーとなるのが、世界中のどこでも利用できるグローバルサービスと高速・大容量の
マルチメディアサービスの提供を可能にする次世代移動通信システム
IMT-2000
です。KDDIはこの無線アクセス方式に、
cdmaOne
の拡張方式で互換性を持つ、
cdma2000
(MC-CDMA)
方式を採用。次世代モバイルに向けて
cdmaOne
はさらに進化します。
cdmaOne
の延長上のシステムである
cdma2000
は、すでに全国展開している
cdmaOne
のネットワーク資産や、培った様々なノウハウを最大限に活用できます。また、
cdmaOne
で提供している国際ローミングをはじめ、様々なサービスを活用することも可能です。
KDDI
は、これらのアドバンテージを最大限に活かしながら
cdma2000
を展開し、さらに使いやすく、品質の高いサービスを提供いたします。
21
世紀、
cdmaOne
から
c
dma2000
へ。可能性は無限にひろがります。
図
5
KDDI
の
cdmaOne
から
cdma2000
へ
※
MS
:
Mobile Station
(移動式)、
AT
:
Access Terminal
(端末)、
C/I
:
Carrier to Interference Power Ratio
(搬送波 対 干渉雑音電力比)
図
6
KDDI
のcdmaOneとHDRシステム
(2
)
cdma2000
を
200
2
年春よりスタート
KDDI
は、
200
2
年春より
8
00MHz
帯に
cdma2000
(
1X MC
)を導入し、次世代サービスを開始。データ通信速度を
144kbps
に高速化し、
2002
年末までに全国展開を図
る
。さらに、東京・名古屋・大阪を皮切りに、
2GHz
帯
の
cdma2000
HDR
(
High Data Rate
)
を導入する予定です。デュアルバンド方式の導入で、
800MHz
帯と
2GHz
帯のネットワークをともに利用できるため、今後ますます高まるデータ通信需要にも十分対応することが可能にな
る
。
(3
)
高速データ通信方式
HDR
(
High Data Rate
)
2000
年春にスタートした、日本初の同一方式(
cdmaOne
)による国際ローミングサービス。面倒な手続きなしで、
1
台のケータイを国内でも海外でも利用することが可能になりました。韓国、香港を皮切りに、アメリカ、オーストラリア、そして世界各国へ。グローバルなコミュニケーションの輪は、
cdma2000
にも引き継がれます。
KDDI
は、より高速で大容量のデータ通信サービスも検討しています。
HDR
は、
cdmaOne
と同じ
1.25MHz
の帯域幅を使用し、最大
2.4Mbps
の高速データ通信を実現する、周波数利用効率に優れたデー
タ通信専用のシステムです。
KDDI
ではこの
HDR
をはじめ、
cdma2000
で標準化が見込まれる最新技術を積極的に検証し、
2002
年
4
月に
導入を
した
。
(4
)
cdmaOne
の技術
cdmaOneの技術を応用: cdmaOneと同等のスペクトル拡散方式を採用。下りリンクでは常に最大出力で送信し、移動局の受信状態に応じて最適な変調方式(QPSK、8PSK、16QAM)を選択。セクター内のスループットが最大となるよう制御を実施。
最大2.4Mbpsの高速データ伝送
下りリンク最大
2.4Mbps
、上り
リンク最大
153.6kbps
のベストエフォート型スループットを実現。
高い周波数利用効率
下りリンクにおいて、ソフトハンドオフおよび電力制御など、データ通信に不要な機能を省き、高い周波数利用
効率を実現。
フルIPベースの通信方式
無線区間も含めたフル
IP
ベースにより、インターネット接続に最適化したシステム。ルータおよびサーバなどに
よるシンプルなネットワーク構築が可能。
(5)
KDDI
の展開ステップ
2001
年
12
月より、次世代サービスを全国一斉に開始
既に提供しているJAVAのバージョンアップに加え、gpsOne、動画配信、WAP2.0等の次世代サービスを、
cdmaOne
のパケット通信網で全国一斉に提供開始
EZweb(14.4kbps)を最大64kbpsに高速化して動画配信を実現
2002
年
4
月
1
日より、全国主要都市で
CDMA2000 1x
を開始。
cdmaOneのネットワークをベースに、最大144kbpsの高速データ通信を実現するCDMA2000 1xを、東名阪を
中心に全国主要都市で一斉にサービス開始。
(
→
東名阪から予定していたサー
ビス開始エリアを大幅に拡大
)
設備効率の向上を図るとともに、最大144kbpsのパケット通信網により、cdmaOneで先行導入するgpsOne、ス
トリーミングによる動画配信や、
WAP2.0
等の次世代サービスを順次高速化し、コンテンツやアプリケーション
を拡充。
併せて、1台の携帯電話でcdma2000 1xとcdmaOneの両方に対応し、サービス開始当初から全国での利用
を可能に。
(6)
KDDI
の提供サービス
[11]
[
12
]
[13]
図
7
ウエッブサイト:-------http://www.pdffind.com/pdf/a5sa9/
このファイルにダウンロード