建築物耐震診断判定委員会運営要領
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建築物耐震診断判定委員会へ判定を申込まれる皆様へ(1)
建築物耐震診断判定委員会に判定を申込まれてから判定結果を受けるまでに必要な書類や
留意事項等はつぎのとおりです。
●建築物耐震診断判定委員会運営要領
●耐震診断判定手数料額(別表1)
●耐震診断判定委員会委員名簿
●耐震診断判定仮申込書(様式1号)
●耐震診断判定申込書(様式2号)
●「耐震診断判定委員会の開催について」(様式3号)
●耐震診断判定書(様式4号)
●「耐震診断判定書の交付について」(様式5号)
●耐震診断判定業務処理手順
●耐震診断概要書の構成項目(別記)
●「耐震診断に当っての留意事項」
以上、次ページより掲載いたしております。
注)「震診断判定仮申込書(様式1号)」と「震診断判定申込書(様式2号)」は、
必要事項を入力してお申込みください。
建築物耐震診断判定委員会運営要領
(目 的)
第1条 この要領は、建築士事務所が、既存建築物(公共・民間を問わず)の耐震性能を把 握するための耐震診断を行った場合、その診断が適正か否かを判定するために設ける ものであり、診断結果の妥当性、統一性、均一性を図ることを目的として、社団法人 北海道建築士事務所協会(以下「本会」という。)技術委員会に建築物耐震診断判定 委員会(以下「委員会」という。)を設置し、運営することを目的とする。
(事 業)
第2条 既存建築物の耐震性の判定の申込みがあった場合、委員会を開催し、必要な検討を 行ったうえ、その判定を行う。ただし、紛争・訴訟等に関する案件は取り扱わないも のとする。
(委員会組織及び委員の構成)
第3条 委員会の委員は、大学教授等の学識経験者・構造関係識者のほか、本会正会員をも って構成し、その数は16名以内とする。ただし、委員長が必要と認める場合は、行 政機関の職員及び耐震診断発注者サイドを、この委員会にオブザーバーとして出席を 求め、意見を聴くことができる。
2 委員会の委員は、本会の会長が委嘱する。
3 委員会には、委員長1名、副委員長2名以上を置くものとし、委員長は大学教授等の学識経験者、副委員長は構造関係識者及び本会正会員とする。
(委員の任期)
第4条 委員の任期は、原則として2年とし、再任は妨げない。
2 補欠又は増員により委嘱された委員の任期は、前任者又は現在の委員の残任期間と する。
(委員会の開催)
第5条 委員長は、必要に応じて委員会を招集することができる。
2 委員会の開催通知は、本会の事務局(以下「事務局」という。)において行う。
(判定基準)
第6条 既存建築物の耐震性の判定は、建築物の耐震改修の促進に関する法律、財団法人日本建築防災協会発行の「既存鉄筋コンクリート造建築物の耐震診断基準」「既存鉄筋鉄骨コンクリート造建築物の耐震診断基準」「既存鉄骨造建築物の耐震診断基準」その他国土交通省、文部科学省等関係機関において定められた関連基準に基づいて行う。
(判定に関する検討事項)
第7条 委員会は、委員長が議長となり、次に掲げる事項を検討する。
(1)既存建築物等資料の内容に関する事項
(2)耐震診断資料の内容に関する事項
(3)現地調査に関する事項
(4)その他関連する必要事項
(判定の申込み)
第8条 既存建築物の耐震診断判定の申込みは、次による。
(1)耐震診断判定仮申込書(様式1号)に、耐震診断調査委託契約書の写し一部(委
託期間の記載部分)を添え、診断調査受託契約後速やかに提出する。
(2)耐震診断判定申込書(様式2号)を判定委員会(作業部会)開催の10日前まで
に提出する。
(3)次の資料を判定委員会(作業部会)当日までに提出する。
耐震診断資料 ① 耐震診断報告書(成果品) 1 部
② 耐震診断概要書(成果品抜粋) 3 部
(4)耐震診断判定手数料は、別表1の額とし、前号の判定申込書受理の際に徴収する。
(作業部会)
第9条 委員会に、判定に関する事項の検討作業を行う作業部会を設置する。 作業部会は、委員長の指示により活動を行う。
2 作業部会は、作業部会長及び作業部員をもって構成する。
3 作業部会の会議は、部会長が招集し、主宰する。
4 作業部会は、必要があると認めるときは、委員長の同意を得て委員以外の者の出席 を求め、意見を聴くことができる。
5 作業部会長は、検討作業終了後速やかに、その結果を委員長に報告する。
(受 付)
第10条 第8条に示す申込書の受付は、事務局において行う。
2 事務局は、提出された耐震診断申込書及び添付資料を確認のうえ受理し、その旨を 委員長に連絡する。
(委員会の開催)
第11条 委員長は、判定申込者に対し、耐震診断判定委員会開催通知(様式3号)により、同委員会への出席を要請する。
(業務の報告)
第12条 委員長は、業務終了後速やかに耐震診断判定書(様式4号)を技術委員会を経由 して会長に提出する。
2 会長は、提出のあった耐震診断判定書を申込者に交付(様式5号)する。
3 前項の判定書は、本会に1部控えを保存し、提出された資料等は申込者に返却する。 4 第1項の判定書には、第8条第3号の耐震診断資料により、第6条の判定基準によ る判定結果を示す。
(守秘義務)
第13条 委員会の委員及び作業部会の委員は、検討事項に関連して知り得た資料、知識等を 第三者に漏洩、公表又は活用してはならない。
(記 録)
第14条 委員会は、委員会業務の記録を行い、事務局がこれを保管する。
(経費の支弁)
第15条 この要領による判定に要する経費は、原則として、申込者により支払われる判定費 用及びその他の収入により支弁する。
(会 計)
第16条 判定費用の請求、受領及びその他の必要な会計事務は、事務局において行う。
(事業年度)
第17条 委員会の事業年度は、一年間とし、毎年1月1日に始まり12月31日に終わる。
(要領の変更)
第18条 この要領の変更は、理事会の承認を得る。
(その他)
第19条 この要領に定めるもののほか、委員会の運営について必要な事項は、委員会が別に 定める。
附 則
1 この要領は、平成18年3月10日から施行する。
2 この要領は、平成18年度の建築物耐震診断判定業務から適用する。
3 この要領は、平成21年6月30日から施行し、平成21年5月1日から適用する。
(別表1)
耐震診断判定手数料額
既存建築物の耐震診断に係る判定手数料の額は、次のとおりとする。
建物の延べ面積 手数料額
500㎡ 未満 80,000円
500㎡~ 1,000㎡ 未満 100,000円
1,000㎡~ 1,500㎡ 未満 120,000円
1,500㎡~ 2,500㎡ 未満 140,000円
2,500㎡~ 3,000㎡ 未満 160,000円
3,000㎡~ 5,000㎡ 未満 180,000円
5,000㎡~10,000㎡ 未満 240,000円
10,000㎡以上 260,000円
※ 上記手数料額は、建物1棟当たりの料金とし、消費税込みとする。
耐震診断判定委員会委員名簿
※ 同一職名毎に五十音順とする。
職 名
氏 名
区 分
所 属
委員長
石 山 祐 二
学識者
北海道大学名誉教授
副委員長
遠 藤 淳 治
構造識者
(社)日本建築構造技術者協会
愛知県支部元監査役
後 藤 隆 之
〃
(社)日本建築構造技術者協会
元北海道支部長
弦 巻 靖
〃
(社)日本建築構造技術者協会
元北海道支部長
委 員
相 沢 勝 彦
実務経験者
元清水建設技術部長
五百蔵 健 行
構造識者
(社)日本建築構造技術者協会
北海道支部元監査役
佐々木 克 也
正会員
㈱NTTファシリティーズ北海道支店
一級建築士事務所
関 弘 義
〃
㈱北海道日建設計
武 田 寛
学識者
北海道工業大学建築工学科教授
中 村 仁 司
構造識者
(社)日本建築構造技術者協会
元北海道支部長
藤 井 正 美
正会員
㈱構造・デザイン設計
真 柄 祥 吾
学識者
北海学園大学工学部建築学科教授
(様式1号)
耐震診断判定仮申込書
平成 年 月 日
社団法人北海道建築士事務所協会
会 長 様
申請者
㊞
住 所
TEL( )-
FAX( )-
下記の建物について、後日耐震診断判定のお願いする予定でありますの
で、仮申込をいたします。
記
1耐震診断対象建築物
名 称
所 在 地
構造・規模 造 階建 延床面積 ㎡
2判定委員会開催希望時期 平成 年 月 日~ 日
※① 本仮申込書は、棟毎に提出して下さい。
② 上記1の名称には、同一敷地内に複数の棟がある場合は棟番号又は棟名も記入して下さい。
③ 耐震診断判定申込書は、判定委員会開催の10日前までに提出して下さい。
受付№
(様式2号)
耐震診断判定申込書
平成 年 月 日
社団法人北海道建築士事務所協会
会 長 様
申請者
㊞
住 所
TEL( )-
FAX( )-
平成 年 月 日付仮申込の下記建物について、耐震診断判定の
申込をいたします。
記
1耐震診断対象建築物
名 称
所 在 地
構造・規模 造 階建 延床面積 ㎡
2提出資料(提出資料は、判定委員会当日持参いたします。)
(1)耐震診断報告書(成果品) 1 部
(2)耐震診断概要書(成果品抜粋-別記内容) 3 部
※① 本申込書は、棟毎に提出して下さい。
② 上記1の名称には、同一敷地内に複数の棟がある場合は棟番号又は棟名も記入して下さい。
③ 本申込書提出の時に、判定手数料 円を納入して下さい。
受付№
(様式3号)
北建事判第 号
平成 年 月 日
〇〇〇〇〇建築設計事務所
代表取締役 様
社団法人北海道建築士事務所協会
委 員 長 ㊞
耐震診断判定委員会の開催について
平成 年 月 日付耐震診断判定申込の建物について、下記のとおり
判定委員会を開催いたしますので、担当者の出席をお願い申し上げます。
記
日 時 平成 年 月 日 〇〇時〇〇分から
判定会場所
判定対象建物
名 称
所在地 市 区 町 条 丁目 番地
提出書類 (下記の書類を、当日持参して下さい。)
耐震診断報告書(成果品) 1 部
耐震診断概要書(成果品抜粋) 3 部
(様式4号)
判定第 号
平成 年 月 日
耐震診断判定書
様
社団法人北海道建築士事務所協会
委 員 長 ㊞
平成 年 月 日付耐震診断判定申込のあった建築物について、次
のとおり判定します。
記
1 耐震診断対象建築物
名 称
所在地
構造・規模 造、 階建、延床面積 ㎡
2 判 定 結 果
耐震診断は適正におこなわれている。
(様式5号)
北建事判第 号
平成 年 月 日
様
社団法人北海道建築士事務所協会
会 長 ㊞
耐震診断判定書の交付について
平成 年 月 日付耐震診断判定申込のあった下記建物について、
耐震診断判定委員会において別紙のとおり判定されましたので、判定書を
交付いたします。
記
耐震診断対象建築物
名 称
所 在 地
構 造・規 模 造 階建 延床面積 ㎡
耐震診断判定業務処理手順
1 耐震診断判定仮申込書
(1) 受託契約後速やかに、調査委託契約書写し(委託期間の記載部分)一部を添え提出のこと。
(2) 診断対象建築物の棟毎に提出のこと。
(3) 申込書は、原則として(社)北海道建築士事務所協会受付窓口に持参するものとし
ファクシミリ又は郵送でも受け付ける。但し、ファクシミリ送付の場合は電話で
送信を確認すること。
2 耐震診断判定申込書
(1) 申込書は、判定委員会開催の10日前までに提出のこと。
(2) 診断対象建築物の棟毎に提出のこと。
(3) 診断対象建築物が同一敷地内に数棟ある時は、申込書の記1の「建物名称」に棟
番号又は棟名を必ず記入すること。
(4) 判定手数料は、申込書提出の時納入する。(但し、事前に口座振替払をする場合 は下記口座に払込し、申込書に振込書の写しを添付すること。)
口
座 名 (社)北海道建築士事務所協会 会
長 吉 田 宏
銀 行 名 北海道銀行 札幌駅前支店
口座番号 0973143
(5) 申込書は、原則として(社)北海道建築士事務所協会受付窓口に持参するものとし、
郵送でも受付る。
3 耐震診断判定委員会出席通知
申込書受理後、判定委員会開催日が決定次第診断調査担当者の出席について通知す
る。(当面は、担当者の出席を原則とする。)
4 耐震診断判定委員会
(1) 委員会は、判定申込件数の状況に応じ随時開催する。
診断調査担当者は、判定委員会で委員の質問に答える。
(3)耐震診断判定に係る提出資料(下記の資料)は、判定委員会当日までに担当者が持
参するか、又は判定委員会開催日に間に合うように郵送すること。
① 耐震診断報告書(成果品) 1 部
(本報告書は、委員会終了後返還する。)
② 耐震診断概要書 (別記内容・A4判用紙) 3 部
5 耐震診断判定書交付
耐震診断判定委員会の判定結果(判定書)を、判定委員会終了後に交付する。
(別 記)
2009.2 改訂
耐震診断概要書の構成項目
§1 建物の概要 様式-1 を参照
1-1 ①一般事項 建物名称、建築場所、用途
②設計者等 原設計者、監理者、施工者、診断者(構造担当者) など
③建物規模 敷地面積、建築面積、延床面積、基準階面積、軒高 など
④建物履歴 設計年、竣工年、増改築、補修、用途変更、被災 など
⑤構造概要 構造種別(RC造等)、構造形式、階数、
基礎形式、地業、地盤種別、敷地概況(埋立地、崖地等)
⑥設計図書 意匠・構造・計算書・地質調査書の有無、添付図書の概要
⑦仕上概要 屋根、外壁(増コン厚)、天井、内壁、床(各部下地を含む)
⑧その他 積雪荷重、診断対象物 など
1-2 診断結果表
様式-2 を参照
1-3 添付図書
①写真
外部・内部の抜粋
②意匠図
案内・配置図、各階平面図、立面図、断面図、矩計図、
診断対象部位の詳細図
③構造図 構造特記仕様書、各伏図、全軸組図、部材リスト、
架構詳細図 など
④地盤調査 土質柱状図(現地または近隣)
§2 現地調査の概要
2-1 図面照合 柱梁壁床、部材断面、接合部(仕口・継手)など
2-2 コンクリート 強度試験、中性化試験、ひび割れ調査、変形調査 など
2-3 床レベル 床レベル測定図、床の傾斜角、沈下によるひび割れ など
2-4 荷 重 積載荷重の確認
2-5 鉄 筋 材質、径、間隔、被り厚さ、錆 など
2-6 鉄 骨 材質、部材断面、接合部、溶接、変形、錆 など
§3 耐震診断の概要
3-1 診断範囲 主な診断対象範囲、診断範囲外の区別
基礎、地盤、地下、付属建物、付属工作物、非構造部材 など
3-2 診断方法 準拠基準(日本建築防災協会)、適用図書、電算プログラム
診断次数、準備計算法、保有水平耐力算出 など
3-3 診断方針 判定指標値、モデル化(ゾーニング、架構形式、階高、通芯、
壁、腰壁)、開口耐震壁(モデル化、入力方法 など)
3-4 診断条件 診断用材料強度(コンクリート、鉄筋等)、診断用積雪深、
計算ルート(E0判定)、第2種構造要素判定フローチャート、
柱のh0、Ex.J.の無い分割施工の扱い など
§4 診断結果の概要
4-1 剛重比、偏心率、形状指標一覧表、経年指標集計表
4-2 柱、壁の破壊形式別表示図
4-3 C・F指標図
4-4 第2種構造要素の判定
4-5 耐震性能診断表(Is、 CTU・SD など)
4-6 構造特性(方向別)
§5 その他の検討
5-1 地下、塔屋、2m以上の突出部材(煙突、庇、パラペットなど)、付属階段、妻面間柱
など
5-2 杭の水平耐力、地盤の液状化の可能性 など
5-3 積雪荷重の増加による大梁・小梁・母屋等の検討
§6 総合所見
6-1 現地調査の評価
6-2 診断結果の評価
6-3 その他の検討結果
6-4 維持管理上の留意事項、改修設計時に必要と思われる調査・解析への提言
§7 耐震改修(補強)の概要(参考)
7-1 改修(補強)方針
7-2 改修項目と概要
7-3 改修略図
7-4 改修結果
7-5 所 見
注) イ)本「耐震診断概要書の構成項目」は主にRC構造を対象とした一例で、構造種
別や診断基準が異なる場合には、これらの内容を網羅した上での、より明解な
様式の採用を妨げるものではない。
ロ)耐震診断概要書(以下概要書)は耐震診断報告書(成果品)から抜粋したもの
で良いが、通しページ番号を付す。
ハ)概要書に電算出力の全データを添付する必要はない。
ニ)§7は改修計画のある場合で、概要書への添付は診断者の判断による。
ホ)概要書は耐震判定委員会に3部提出する。
ヘ)診断者は「耐震診断判定チェックシート」によって、記載内容に不備のないこ
とを確認して「耐震診断概要書」を提出する。
ト)表紙、目次、建物概要、耐震診断結果表、耐震診断指標(RC造・SRC造)、
耐震診断指標(S造屋内体育館)の標準様式を参考に概要書を作成する。
耐震診断受託者 様
(社)北海道建築士事務所協会
建築物耐震診断判定委員会
「耐震診断に当っての留意事項」について
さきに仮申込みのあった耐震診断判定の建築物について、当委員会においては耐震診断調査及び改修計画策定に当り、特に注意を要する事項を「耐震診断に当っての留意事項」として下記のとおり取りまとめています。
記
耐震診断に当っての留意事項
制定
平成10年8月1日
改正 平成19年3月26日(適用 平成19年4月1日)
§1建物の概要
・設計図書
RC造で構造図・計算書が共にない場合
1)原則として、現地調査などを行って診断に必要な構造図を作成する。
2)Fc・pt・pw・ps等の調査が困難な場合、日本建築防災協会
「2001版耐震診断基準・同解説」(PP.61~62)にある値を使用してもよい。
3)報告書には、架構・断面及び材料強度の取扱い等の診断の前提条件を明記する。その場合のⅠsはⅠsoに対し、余裕のあることが望まれる。
4)図面を作成できない場合には、診断不可能とする。
・添付図面
壁の位置を明確に表示する。
§2現地調査の概要
構造図が有る場合も予備調査は必ず行うことを原則とする。主要部材断面の確認をし、柱・梁・ブレースの継手及び仕口(ボルト・プレートの詳細、突き合せ・すみ肉溶接の別とその寸法)及び劣化の程度を調べる。調査した範囲・内容を詳細に記述する。
予備調査のできない場合は、診断の前提条件として、「主要部材断面、柱・梁・ブレースの仕口の溶接が図面通りで、劣化はないものとして診断する」等と診断書に明記する。
・コンクリートの調査
圧縮強度試験
コンクリート供試体による試験を行うことが望ましい。
試験結果Fcは、実測平均値(Ⅹ)から標準偏差値(σ)の1/2を差し引いた値とする。Fcを採用する場合は、測定位置、箇所及び本数が適当かどうか詳細な検討を要する。
Fcが設計基準強度を上回った場合は、設計基準強度を採用する。Fcが設計基
準強度を下回った場合は、Fcを採用する。
低強度コンクリート(13.5N/㎜2未満)の取り扱い
現行の耐震診断基準は13.5N/㎜2以上を対象としている。13.5N/㎜2未満の診断は詳細な調査・実験・解析などを行う必要がある。
コンクリートの中性化
中性化試験の結果に基づいて、構造部材の耐久性(余寿命)を推定し提示する。
中性化の進行が早く余寿命が少ない場合には、改修計画の前に詳細な調査が必要である。モルタルなどの仕上げ材がある面では、この仕上げ部を含めた中性化の進行状況を把握するものとし、中性化進行速度を過小に予測しないように注意する。
§3診断方法
・診断範囲
既存建築物の耐震診断の範囲には、非構造部材・付属工作物等があるが、実情は構造躯体のみを診断する場合が多い。しかし、発注者の中には耐震診断にはこれらの診断も含まれると考えている場合がある。従って、受注者は発注者に非構造部材・付属工作物・独立煙突・庇・屋外鉄骨階段等の診断を行うかどうかを確認し、診断書にその範囲を明記する。ただし、塔屋・煙突は診断範囲に含める。
注)非構造部材等
1)外壁に取り付く部材で ①窓ガラス(硬化パテ型、弾性シール型)②ブロック③ALC板、PC板 ④タイル張り、石張り、テラゾー張り、モルタル塗り⑤カーテンウォール ⑥打ち放しコンクリート ⑦屋外に開く外扉
2)天井
付属工作物等
①屋上やバルコニー等の床上に取り付けられた付属工作物で、屋上煙突、広告等、高架水槽、クーリングタワー、自動販売機、プランター、バルコニー等の先端のコンクリート製の手すり、空調機の屋外機等②外壁に取り付けられた付属工作物、袖看板、ウインド型クーラー等
其の他
基礎・杭、地階、付属建屋など
・準拠基準
プログラムソフト
使用したソフトのプログラム名、バージョン、評価番号等を記述する。
・診断方法
2次診断の適用
2次診断は梁が剛体という前提のもとに組み立てられている。このため診断を始める前に適用が妥当か否か見定める必要がある。2次診断の適用が不適切と考えられる部分はインプットで調整するか、診断結果を判断する際に考慮する。
2次診断で受託された場合でも、3次診断が適切な場合は、診断の総合所見
などに「改修設計にあたっては3次診断により検討することが望ましい」等と明記する。
耐力壁の剛性
「1997年版 建築物の構造規定」付録1‐7.4 鉄筋コンクリート造壁等の剛性評価方法(PP.342~348)に従い、耐力壁は原則として弾性剛性に立脚し、曲げ変形、せん断変形、回転変形を考慮の上計算し、剛性低下率は考慮しないこととする。剛性低下率を用いる場合には、十分な技術的検証を行うこと。ただし、ラーメン架構中に点在し応力集中が予想される耐力壁は初期剛性を期待し難いので剛性低下を考慮する。
補強コンクリートブロック造壁の剛性評価
1)剛節架構内のブロックは、一般的には剛性を考慮しなくてもよい。但し偏心に及ぼす影響が大きい場合には剛性を考慮した検討を行う。
2)ブロック造腰壁は、一般的には剛性を考慮しなくてもよい。但しブロック壁が厚い場合、又は柱断面が小さい場合には考慮する。
下階壁抜け柱
下階壁抜け柱については、地震時変動軸力を考慮して、「1997年版 建築物
の構造規定」付録1‐11ピロティ形式の建築物に対する耐震設計上の留意点(PP.389~394)に適合するかを検討し、保有水平耐力に加味する。
ウォールガーダー
ウォールガーダーが支配的な架構については、偏心による捩りモーメントを考慮した柱のせん断耐力を用いて診断を行う。最上階がウォールガーダーの場合で柱が梁天端に達していない場合には、柱はり交叉部における柱筋の定着耐力が所要の柱筋応力を上回ることを確認する。
連層耐震壁扱い
上下に連続した図のような開口がある
連層耐震壁の場合は、開口回りの短スパ
ン梁の検討が必要である。
・設定条件
積雪荷重
積雪荷重は、原則として、平成12年に国土交通大臣が定めた基準に基づいて特定行政庁が定める垂直積雪量の値によって計算する。
壁の取扱い
開口のある壁や片側柱付き壁の取扱いは、プログラムによって異なるので、壁に対する取扱いを明確に示す。
・モデル化
特殊形状の建物
1)L字型の建物の様に剛床仮定が成立し難い平面形状やレベル差のある建物等については、必要に応じてブロック分けをし、それぞれについて算出したⅠs値を判断資料にして総合的に建物の耐震評価を行う。その場合、ブロックの分割方法と解析方法及び評価方法を診断方針に明記する。ブロック分けのモデル化については、「耐震診断におけるモデル化の問題点」(建築技術1997.10)などに記述がある。
2)鉄筋コンクリート構造と鉄骨構造などの混合構造物に対しては、出来るだけ実際の挙動に近い構造モデルで診断し、その取り扱い方法を診断方針に明記すること。その際には、(社)日本建築事務所協会連合会偏「既存建築物耐震診断の業務手引」(1996)PP.5及びPP.175等を参照するとよい。
§4診断結果の概要
コンピューターによる計算結果が、不自然である場合などは、更に別途の検討が必要である。場合によっては、簡易診断・1次診断を行うことも一つの方法である。
一貫プログラムによる計算結果をうのみにしないで、各部材の破壊形式やC・F指標図をチエックし判断する。
・剛重比、偏心率、形状指数一覧表、経年指標集計表
経年指標の設定時点
建物の使用期間を考慮して、その時点での推測に基づいた指標値を採用する。
1)診断時か、診断時以降の使用期間後かを明確にして経年指標を算出する。
2)使用期間後の経年指標の算出には、中性化やひび割れの進行を予測して経年指標を低減するか、改修時に耐久性を高める処置を行うか、その後のメンテナンスにより劣化を防止するか等の条件を明示すること。
3)改修計画案の策定がある場合は、原則として2)によること。
目視によって経年指標を求める際には、目視した範囲・率などを示し、目視率が低い場合は、値を適宜調整する
・柱、壁の破壊形式別表示の配置図
極脆性部材・せん断柱・第2種構造部材の位置を、伏図と軸組図に示す。
・Is、 CTU・SD
CTU・SDの用途係数等
日本建築防災協会「RC診断基準」では、判定条件として1.25≧CTU・SD≧0.3としている。千葉大学の村上雅也博士は、「耐震診断の概要と判定」(建築技術1997.10)で、CTU・SD≧0.3はqが1.0以上となる条件と同様な趣旨であるから、個人的には次式が良いと述べている。
1.25≧CTU・SD≧0.3・Z・G・U
Z:地域指標、G:地盤指標、U:用途指標
また「SRC診断基準」改定版では、Z・G・Uが考慮されており、その主旨が述べられている。以上から、CTU・SDの下限値には用途・地域・地盤の各指標を考慮する。
§5其の他の検討
・杭の水平耐力・地盤の液状化の可能性 など
基礎構造の耐震性
不同沈下など明らかに基礎に問題がある場合を除いて、基礎は健全なものとして扱ってよい。ただし、その旨を明記する。特に木杭の場合は腐食も考えられるので、杭に関する解析の前提条件を示し、総合所見にその旨を明記する。
液状化の可能性について解る範囲で記述する。
傾斜地の場合などは、その影響が考慮されているか否か明確にする。
災害時の拠点になる建物、重要度の高い建物については、出来る限り杭の水平耐力の検討を行う。又、塔状建物や煙突など、転倒が考えられる場合も同様である。
§6総合所見
Ⅰ 総合所見は、診断者が発注者に診断結果をまとめて伝える重要な事項であることから、単に耐震指標値を示すのではなく、診断にあたっての前提や仮定条件、調査した内容結果、そして診断結果を解りやすく記述する。
Ⅱ 建物の耐震上の特徴を建物の崩壊形性質(例えば変形性状)などから述べる。また、極脆性柱、せん断柱、第2種構造要素についてC・F指標図などと関連させて述べるのが望ましい。
Ⅲ 塔屋・煙突・庇・屋外・鉄骨階段などを診断した場合は、それらの結果も部位ごとに所見に記す。
Ⅳ 地盤、杭について記述する。
Ⅴ 非構造部材及び付属工作物等に落下、剥落、転倒等の危険性があると想定される場合には、対策が必要であることを記述する。
Ⅵ 「維持・改修設計又は改修工事」に当たっての留意点を記述する。
・改修設計時に必要と思われる調査・解析への提案
改修設計がある場合は、その所見に、改めて「改修設計を行うという前提である」ことを明記し、留意事項(追加調査、解析手法、3次診断の勧め等)を付記する。
§7耐震改修計画(案)の概要
「改修計画(案)」は、種々ある補強方法の一例として聞くもので承認するものではない。
一般的には、この(案)に基づいて予算が組まれるが、「改修設計」の結果と差異が生じることが多い。その主な要因は、改修設計における追加調査で新たな事実が判明した場合や、詳細に検討した結果で予測した耐力が得られなかった場合などである。従って、改修計画(案)の作成に当たっては、改修設計における検討・注意事項を明記した上で、それらに配慮した内容とする必要がある。
耐震指標値Ⅰsが低い場合
診断の結果、耐震指標値Ⅰsが目標値の半分以下で、耐震強度の過半を補強に頼らざるを得ない場合、補強は慎重を期さなければならない。梁降伏先行形となる場合も多く、できるだけ3次診断を行うのが望ましい。また、耐震補強部位が集中的に配置される場合は、その周辺の梁や床スラブなどの応力伝達能力を慎重に確認する必要がある。更に、大きな補強効果を得るためには、施工性のばらつきにも配慮する必要がある。また、補強後の耐震判定指標値を割増す。
耐震壁による補強
中高層建物に、連層RC耐震壁あるいは鉄骨ブレ
ースを増設して補強する場合は、隣接梁や直交梁を
考慮して、補強部材がせん断壁になるか、曲げ壁に
なるかの検討が必要である。また、図のような形状
の耐震壁による補強の場合は、開口まわりの短スパ
ン梁の検討が必要である。(日本建築防災協会「2
001年改訂版 耐震改修設計指針・同解説」PP.117)
増設壁の剛性
増設壁については、せん断耐力までの耐力を期待できない場合があるので、この点を考慮すること。(日本建築防災協会「2001年改訂版
耐震改修設計指針・同解説」PP.87~88)
スリット壁の取扱い
1)部分スリット壁を用いる場合で、剛性率および偏心率を精算する時には、腰壁・垂れ壁・袖壁等2次壁の影響を適切に考慮すること。
2)スリット壁の取り扱いにあたっては、「1997年版 建築物の構造規定」付録1‐
7.5剛節架内の鉄筋コンクリート造腰壁・そで壁等の構造計算上の取り扱い(PP.348~359)を準用すること。
あと施工アンカーの耐力
コンクリート供試体による圧縮強度試験をしないで補強計画をした場合には、改修時に供試体によるコンクリートの圧縮試験を行うか、又はアンカー筋の引き抜き試験を行うかを記述する。
基礎構造の耐震性
改修計画においては、補強による付加軸力の基礎(地盤又は杭)への影響を考慮する。
補強計画において、一般に地盤の資料がなくても不同沈下等がない場合は、長期軸力の10%程度の荷重増は許容範囲と考える。また、連層耐震壁などで地震時において変動軸力が集中する場合には、基礎の検討が必要である。
特殊な補強方法の場合
1)特殊な補強の場合は、検証資料を添付する。
2)制震または免震工法による補強の場合は、実施に当っては北海道建築指導センターの評定などを要する。
・改修計画方針
改修計画方針を明確に表示する。
改修は、使用勝手のみでなく、場合によっては、防災面での考慮を行う必要がある。
・改修項目
ひび割れ補修、鉄骨防錆塗装など構造躯体以外について記述する。
改修設計に必要な調査や詳細な検討事項を示す。
・改修結果
改修前・改修後のIs値、C・F指標図を容易に比較できるように同一図に示すのが望ましい。
ウエッブサイト:-------http://www.pdffind.com/pdf/5n4dc/
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