神戸造船所 森 重 晴 雄*一 高砂製作所 小 室 隆 信 ...

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深海電力貯蔵システムの提案
ProposalofSeaEnergyStorageSystem
神戸造船所 森 重 晴 雄*一
高砂製作所 小 室 隆 信*2
エネルギーの有効活用の手段として,立地場所を幅広く選定できる海底を利用した深海電力貯蔵システムについて研究中であ
る.このシステムは,海面下約800mの深海に設置されたバッテリタンク内外の圧力差を利用するものであり,バッテリタンク,
ポンプ水車,発電電動機から構成される.本報では,バッテリタンクのタンク仕様の検討結果を中心に述べる.
TheSeaEnergyStorageSystem(SESS)isdesignedtoutilizetheinsidetooutsidepressuredifferenceofatank,Called
batterytank,Sunkattheseabottom・Thesystemistobeinstal1ed800mbelowthesurfacetotakeapproximately82kgf
/cm2waterpressure.TheSESSconsistsofbatterytanksandacontainerwhichincludespumpturbinesandgenerators.The
StruCtureOfthebatterytankisstudiedaswellasmanufacturingprocedure,tOgeneratelOOOMWofelectricpowerfor6
COntinuoushoursaday.
相当する.
電力貯蔵原理の比較(1)を図2に示す.
原理は,次に示すとおり発電と排水に大別される(図3参照).
(1)発電(昼間)
昼間,電力使用のピーク時にバッテリタンク内へ海水を注水
し,ポンプ水車により発電を行う.
(2)排水(夜間)
夜間の余剰電力を使用してポンプ水車によりバッテリタンク
内の海水を排水する.
なお,水深500-1000mの海底の水温は,4-5℃(2)であるか
1.は じ め に
現在,大規模に電力を貯蔵できるシステムとして,揚水発電が
山岳において多数,運転又は建設されている.
電力貯蔵システムとしては,他に種々の形式のものが研究開発
され,当社もCAES(圧縮空気エネルギー貯蔵システム),SMESS
(超伝導エネルギー貯蔵システム)の研究を進めている.
さらに新たな発想として,深海に設置された揚水発電所ともい
える深海電力貯蔵システム(Sea EnergyStorageSystem,以下
SESSと称す)を考案し,ここに提案するものである.
本報は,SESSの概念について,主要構成部となるバッテリタン
クを中心に紹介する.
2.システムの原理と特徴
2.1システムの動作原理
本システムの基本構成は,図1に示すポンプ水草,発電電動機
の設備を有する機器電気設備と,それらを格納する格納容器,エ
ネルギーを貯蔵するバッテリタンク及び電力を地上から送受電す
る海底ケーブルを含む電気設備から成る.
SESSは,基本的には揚永発電を発展させたもので,上流ダムが
海洋全体であり,下流ダムが海底に設置されたバッテリタンクに
揚水発電所
深海電力貯蔵システム
海面
図2 揚水発電所と深海電力貯蔵システムの原理比較 揚水発電所の上
池,下池に当る部分がSESSでは海洋全体とタンク内部となる.
CompareofprinciplebetweenSESSandpumpedstoragesystem
排水モード
発電モード
図1SESSの基本構成 SESSほ,主にバッテリタンクと発電電動
機及びボン70水車を含む格納容器から構成される.
BasestructureofSESS
図3 深海電力貯蔵システムの仕組み SESSは,夜間に電力貯蔵を行
い,昼間に発電を行う.
SESS concept
*1原子力建設部工事計画課
*2機械技術部水車設計課主務
三菱重工技報 Vol.34 No.5(1997-9)


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表2 バッテリタンクの構造比較
Comparison ofbatterytankstructure
表1バッテリタンク基本構造式及びエネル
ギー式
Structuralformula for battery tanks
and energy

構 造
長 所
総合
(kgf/cm2)
短 所 設計圧縮強度 密度 (g/cm3) エネルギー密度 (kW・h/t) コスト 評価
鋼 製
・圧縮,引張共
に強い
がたい
・加工しやすい
2400
7.8
3.6
△ ×
・品質が安定し
ている
・曲げ加工が必

コンクリート製 ■座屈が起らな
レヽ
しヽ
・厚肉が成形し
448
2.4
2.1
◎ ×
やすい
SC製
・型枠材が不要
・座屈に強い
・厚内が成形し
448
2.4
2.1
○ ○
やすい
項 目

P=♂
耐圧能力
P
薄肉の近似式:P=⊥♂ α
座屈限界庄力
弔)3・諸表
エネルギー
常♂・(万α2い‡m8)
丘も=Py
薄い長大円筒の近似式:郡止わ
重量 Ⅳ 薄い長大円筒の近似式:2爪Z⊥わ
エネルギー密度


島:エネルギー α:内径 ∂:外径 y:体積
エ:円筒長 ♂:圧縮強度J:円筒厚さ β:密度
丘∵ヤング係数 循:座屈披係数 レ:ポアソン比
ワ:83%

......
)を対象
にした.
表3 各ケースにおけるバッテリタンク試設計結果
Testdesignresultofeachcase
■■:+15~+5
kgf/Cm2
E二]:+5~ O
kgりcm2
⊂コ 0~-5
kgf/Cm2
国書国 -5~-25
kgf/Cm2
+:引張 -:圧縮
タンク内圧82kgf/Cm2時のコンクリート部評価
図4 事故時バッテリタンク内面の応力
Stress on inside surface at accident case
3.5 施工方法
前述のケース1とケース2共基本的に同様なエ法となる.
本方式の施工概念について図5,図6に示す.
この方法は,バッテリタンクの鋼板部分を工場製作し,鋼板部
完成後進水させ,海上にてタンク内にコンクリートを打設し,別
途製作したタンク受台と共に海底に据付ける工法である.
バッテリタンクの据付け及びコンクリート打設方法は,コンク
リート製石油掘削リグを参考にした.
4.ポン プ水車
本システムにおけるボン70水草の技術的課題は,従来の揚水発
電に対する本システムの特殊性によるもの,海水対応によるもの
及び超高落差仕様によるものがある.超高落差対応技術について
は,現在700m級の揚水発電所が建設中であり,その振動対策に
項 目
ケース1 ケース2
電気出力
30000 1000000
発電時間
タンク中央部水深
400
800

20
20

(kgf/cm2)
500
700

(設計許容応力)コンクリート 1.25 (400) 1.25 (560)

(kgf/cm2)鋼
材 1.05(2400) 1.05(2400)
荷重係数
1.3
1.3
地震想定加速度
400
400
タンク個数
16
タンク内径
31.0
47.0
タンク外径
40.0
62.0

タンク全長
160.0

タンク空時最大応力
(kgf/cm2)
248
479
地寛時の動庄変動平均
1.00
2.59
地震時の最大応力
結 果 (kgf/cm2) (kgf/cm2) 256 491 タンク鋼材重量 (t) 18700 143000 高強度タンクコンクリート物量 (m3) 123000 2670000 肉厚比 0.225 0.24 F E M 支持部コンクリート部長大圧縮応力(kgf/cm2) 84 支持部鋼板部長大圧縮応力 (kgf/cmり 1130
三菱重工捜報 Vol.34 No.5(1997-9)


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図5 SESSドック内製作概念
Constructionimageindock
込揚程が約90m必要となり,バッテリタンクとポンプ水車の収納
される格納容器は,別置することとなる.
4.2 材 料
海水を使用するために,その防食対策が必要となる.従来の海
水ポンプや現在建設中の海水揚水発電所に通用されているオース
テナイト系ステンレス鋼,電気防食技術や防食ペイントに加え,
2相ステンレス鋼やスーパステンレス鋼の新材料の適用により,
更に耐食性の向上が可能となる.
5.あ と が き
我が国の三大都市圏の近海に本システムを設置すると想定した
場合,設置可能海底である深度500-800m,かつ沿岸から15km
範囲の海域は,広く分布している.このようにSESSの設置場所
は,都市圏周辺において幅広く可能である.
また,SESSは,地球温暖化の一因となっている火力発電所から
発生する二酸化炭素ガスを溶解させるシステム(4)を組込むことが可
能である.
実用化へ向け種々課題はあるが,次世代のエネルギー有効利用
の一手段として更に研究を進めていきたい.
図6 バッテリタンク製作手順
バッテリタンクは,海上にてコンクリ
ート打設し,海底の受け台に据付ける.
Constructionofprocedureforbatterytanksmethod
ついては,従来技術の延長として対応可能と考えられるので,以
下には,本システムの特殊性によるポンプ水車の配置と海水耐食
性について述べる.
4.1配 置
本システムのバッテリタンクを最大限に利用するためには,バ
ッテリタンク内の水位変化に対し,気圧変化を起さないシステム
が必要となる.その方法として,大気開放方式と真空(飽和水蒸
気庄)方式がある.本システムは,真空方式を想定しており,吸
参 考 文 献
(1)森重晴雄,深海電力貯蔵プラント,エネルギー・資源学会第
13回研究発表会講演論文集(1994)
(2)J.J.マイヤーズ編集・岡村健二監修,海洋工学ハンドブッ
ク,ラティス発行
(3)森墓碑雄,深海電力貯蔵プラント,土木学会第48回年次学
術講演会講演論文集(1993)
(4)尾崎雅彦ほか,深海へ送り込み後のCO2挙動に関する基礎研
究,三菱重工技報 Vol.29 No.4(1992)p.310-314
三菱重工技報 Vol.34 No.5(199ト9

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