特別会計整理合理化計画骨子
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平成17年12月21日
特別会計整理合理化計画骨子
自由民主党 行政改革推進本部
特別会計改革委員会
1.(1)特別会計は、特定の歳入を特定の事業に充てることにより当該収支を区分整理し事業目的・収支を明確化させるとともに、当該事業の推進と政策目的の実現に貢献してきた。しかし近年、特定の歳入があることやチェックが甘くなりがちなことに起因する無駄や多額の不用、繰越などの「カネ余り」や剰余金が発生している特別会計が見受けられる。また、借入れが連年多額となり膨大な借入金残高を抱えている特別会計も見られる。結果として資産・負債両面で水脹れとなり、「小さな政府」に反する状況に立ち至っている。また、特別会計については一覧性・総覧性がないため、国民にわかりにくく十分な説明責任を果たせていないことに加え、特別会計があたかも国と別個の独立した法人格をもって、独自に借入金などの資金調達をしたり、特定財源収入を受け入れることにより本来の事業目的を逸脱して自己増殖しているとの問題がある。
(2)これらの問題を解決するため、以下により改革を進めるべきである。
まず、特別会計要件を厳格化するとともに、特別会計見直しの方向性を示すなど、本「特別会計整理合理化計画の骨子」の方針を明記した行政改革推進法案(仮称)を次期通常国会に提出し、今後5年を目途に改革を完了するものとする。
なお、一般会計、特別会計を通じた一覧性を高めるとともに、平成19年度に特別会計整理合理化法を立法化し、以下2(3)に掲げる個別の特別会計の改革を具体的に盛り込むとともに、特別会計独自の「恩典」を整理するものとする。
さらに、本骨子に基づく改革が完了した段階においては、改めて、整理区分特別会計等を除き特別会計を一般会計のもとにおかれた「区分勘定」に改めることを含め、特別会計の諸問題を抜本的に解決する方策を検討する。
2.(1)以上に則って行う特別会計全体についての改革は、以下の通りとする。
①特別会計については、資産・負債差額が約45兆円と言われており、積立金・剰余金についても多額にのぼっている。これらを精査して資産・負債や剰余金等のスリム化を徹底するなどし、今後5年間において合計約20兆円程度の財政健全化への貢献を目指すものとする。
②一覧性・総覧性をもった形で国の財務状況を説明し十分な説明責任を果たすものとする。そのため、特別会計の歳入・歳出につき、所管別区分と主要経費別区分を行うとともに、予算の一覧性を確保するため、純計額ベースで表示した所管別や主要経費別の予算参考資料を法定資料としての予算参考書類に含めるなど、抜本的に見直すこととし、国の財務状況の透明化を図る。
③特別会計整理合理化法により、いわゆる特別会計の「恩典」(借入規定、剰余金・繰越し規定、資金設置規定、弾力条項等)を整理し、特別会計の会計・開示要件を統一的に明示する。特別会計の会計情報については、企業会計に基づく資産・負債も開示する。また、特別会計が濫りに設立されることにより弊害が生じかねないことから、その設立要件を厳格化するほか、既存の特別会計についても、5年ごとにその設置の要否を見直す条項(サンセット条項)を導入する。
(2)また、個別の特別会計の見直しの方針は、以下の通りとする。
①事業の必要性の減じた特別会計は廃止するものとする。
②事業の必要性は認められるとしても国自体が担う必要性の薄いものは民間に委ねるものとし、必ずしも国が直接行う必要性の薄いものは独立行政法人化するものとする。
③一般会計からの繰入れが多額にのぼるなど一般会計と区分経理する必要の薄れたものについては特別会計を廃止し一般会計事業とするほか、事業の性質により独立行政法人化等を検討するものとする。
④事業類型が近似している特別会計で、特別会計としての区分経理の必要性の認められるものについては統廃合を行い、行革効果を確実に出すものとする。
(3)以上の方針を受け、各個別の特別会計については、以下の通り見直しを行うものとする。なお、これらの改革の過程においては、必要に応じ、市場化テストの積極的な活用を図るものとする。
①道路整備特別会計、治水特別会計、港湾整備特別会計、空港整備特別会計及び都市開発資金融通特別会計の五つの特別会計については、平成20年度までに統合し、無駄の排除を行うものとする。空港整備特別会計については、将来の独立行政法人化等について検討するものとする。
②厚生保険特別会計及び国民年金特別会計については、平成19年度までに統合し、無駄の排除を行うものとする。また、年金事務費の財源については、受益と負担の関係の明確化等の観点から、恒久的な在り方を検討するものとする。
③船員保険特別会計については、今後1年程度の間、制度見直しの詳細について検討した上で、平成22年度を目途に、船員保険事業のうち健康保険制度に相当する部分は、社会保険庁改革に伴い発足する新たな公法人等に移管し、労災保険制度及び雇用保険制度に相当する部分は、労働保険特別会計のそれぞれの制度に統合するものとする。
④労働保険特別会計については、原則として純粋な保険給付事業に限り本特別会計にて経理するものとし、労働福祉事業及び雇用保険3事業については、廃止も含め徹底的な見直しを行うものとする。また、失業給付事業における国庫負担のあり方については、廃止を含め検討するものとする。
農業共済再保険特別会計及び漁船再保険及漁業共済保険特別会計については、積立金管理の業務運営を透明化した上で、平成20年度までに、両特別会計の統合を含め再保険機能の取り扱いにつき検討するものとする。
地震再保険特別会計については、平成20年度までに、再保険機能の取り扱いにつき検討するものとする。
森林保険特別会計については、独立行政法人化を検討するものとする。
貿易再保険特別会計については、先進国向け短期保険分野等への一層の民間参入の促進を図りつつ、民間でできるところから国は撤退すること等の制度改正につき、今後3年を目途に検討し、結論を得る。
⑨国有林野事業特別会計については、平成18年4月に予定する国有林野事業勘定と治山勘定との統合を進めることとし、その後、平成22年度に、借入金の処理等事業運営に必要な措置を講じつつ、企業特別会計としての特性及びこれまでの取組み等を踏まえ、その業務の性質により一般会計への統合・独立行政法人化を検討するものとする。
⑩国営土地改良事業特別会計については、平成20年度までに、一般会計への統合を行うものとする。国営事業分と都道府県営事業分の区分については、国と地方との適切な役割分担の検討を行う中で、農政改革の進捗状況等を見極めつつ、平成18年度中に結論を得るものとする。
⑪食糧管理特別会計及び農業経営基盤強化措置特別会計については、平成19年度に統合し、無駄の排除を行うものとする。その後、業務の性質に応じ、一般会計への統合や独立行政法人化を検討するものとする。
⑫自動車損害賠償保障事業特別会計及び自動車検査登録特別会計については、平成20年度に統合し、無駄の排除を行うものとする。その後、業務の性質に応じ、一般会計への統合や独立行政法人化を検討するものとする。
⑬特許特別会計については、その予算特性、政策的見地に鑑み、一層迅速かつ的確な審査を実現するため、特許審査の件数、そのためのコスト、先行技術文献の検索外注件数などにつき中期的な定量的目標を定めつつ、業務効率の向上及び民間委託の拡大を図る。
⑭国立高度専門医療センター特別会計については、借入金の処理等事業運営に必要な措置を講じつつ、平成22年度に、国立がんセンターなどを独立行政法人化し、同特別会計を廃止するものとする。
⑮登記特別会計については、今後の事業計画を踏まえ、真に必要な事業にスリム化し、平成22年度末をもって一般会計への統合を行うものとする。
⑯特定国有財産整備特別会計については、今後の事業計画を踏まえ、真に必要な事業にスリム化し、平成22年度を目途に、一般会計への統合を行うものとする。
⑰電源開発促進対策特別会計及び石油及びエネルギー需給構造高度化対策特別会計については、平成19年度までの立法化により統合し、無駄の排除や区分経理による透明化を行うものとする。電源開発促進税については、「特定財源見直しに関する基本方針」にのっとり、特別会計への直入をやめ、一般会計を通じた繰入れを行うものとする。
⑱産業投資特別会計社会資本整備勘定については、無利子貸付事業が終了することを踏まえ、廃止するものとする。産業投資勘定については、真に必要な出資事業に限定の上、平成20年度までに、財政融資資金特別会計に移管するものとする。その後、民間での対応等を勘案の上で、一定期間経過後、産業投資勘定自体のあり方を、その存否も含め検討するものとする。
⑲財政融資資金特別会計については、将来的な財投規模のスリム化を確実なものにするため、財投債発行額を着実に減額するとともに、確実な償還見込みをたてるものとする。また、公営企業金融公庫の資本市場等を活用した仕組みへの移行の状況を見極めながら、地方向け融資を段階的に縮小するものとする。
⑳国債整理基金特別会計については、業務運営の効率化と事務費の節減を強力に推進するものとする。また、国債業務の日本銀行への委託範囲については、今後検討し、19年度までに結論を得るものとする。
外国為替資金特別会計については、人件費及び事務費について一層効率化に取り組むものとする。本特別会計が保有する積立金は、決算の不足が生じる場合に備えるものであるが、例年にわたり剰余金が発生している状況を踏まえ、今後とも当該剰余金の相当部分につき一般会計への繰入れを行うものとする。
交付税及び譲与税配付金特別会計については、借入金償還スケジュールを早期に明確化するものとする。
ウエッブサイト:-------http://www.pdffind.com/pdf/425qi/
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