男子精通現象について
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男子精通現象について
一発達加速現象の観点より一
日野林俊彦
73
男子精通現象について
一発達加速現象の観点より一
1.初
め
に
青年期(Adolescence)は, 個
人の発達段階の一つとし て,独自の役割を果していること
が認められている。青年期は幼少期から成人期への移行段階であり,いわば個人が幼少期を
脱脚 し,成人として社会から認知きれるための学習期間である。これは単に人間の個体発生
において認められるのみでな く,動物にも青年期があるといわれる5)12)。
Horrocks,J.E.(1954)15)に
よれ ば,青年期の始まりは生理学的に定義きれ,その期間
と停止は心理学的に定義きれる 。青年期の開始は,現象的には青年期成長スパート(Adoles-
centGrowthSpurt) 及
び,第
二次性 徴(SecondarySexCharacteristics)の
発現が指標
としてよく用いられる 。しかし,いつ成人に達するのかは,社会,文化,時代差等が存在し
明確な定義は存在しない。むしろ,青年期の期間は見方によって様々な定義が可能だといっ
たほうがより適切であろう。
青年期開始の指標の一つが第二次性徴の現われであるということ は,重要な意味をもって
いる 。青年期の特徴の一つは性(Sexuality)の発達にあり,性成熟が進行する一方で,性
の衝動の解放が社会的には公認きれないという一側面を有するからである。
青年期 は,急速に変化しつつある現代社会にあって,老年期とともに,大きな変貌を遂げ
つつある時期であるといえる。一方でいわゆる発達加速現象(Acceleratiol1, SecularTrend)
の進行に伴な い3)19),青年期開始の時期が早まり,他方では学習内容の増大とそれに並行し
た高学歴社会の進行ととも に,就学期間が延長される結果,成人として認知されるのが遅く
なってきている。この青年期の拡大は現代の人間像の理解に大きな問題点を投げかけている
といえよう。
発達加速現象の結 果,人間の成長と成熟の速度が早まっているという事実,さらに,その
速度の早まりの影響が大きいの は,少年期後期から青年期初期としての思春期(Puberty)に
かけてであるとい うMeredith,H.V.(1976)23)の
指摘 は,とりわけ青少年の問題を考える
際に意味をもってくる。
Gavan,J.A.&Swindler,D.R.(1966)11)は,霊
長類は系統発生の過程 で,主として成
長可能な期間を変化させることによって多様化してきたと主張する 。言い換えれば,成長期
74
間,養育期間の延長が,今日の人間像を形成する要因の一つとなっているのである。さらに
Laird,A.K.(1967) 18)は,人
間が進化的にみ て,今日の繁栄を勝ち取った一つの理由は,ゆ
っくりとした成長期である少年期の延長にあると指摘する 。成長と成熟の前傾,早期化,そ
れに伴なう少年期の短縮 は,人間本来の傾向に逆向するものであるといわなければならない。
発達加速現象に伴なう成 長,成熟系の変化の中でも,とりわけ生理的性成熟の前傾は,青
少年の 性,きらには人間における性の在り方そのものを考える際に重要な問題となってく
る。青年期にあって初めて,性の生物学的,心理学的,社会学的側面の相互作用が明らかに
なってくるのである 。前田(1970)20)は,以下の様に述べている。「人間の衝動体制は,生物
学的に本来無形 式(amorph)であり,可塑的であるゆえに社会的ノルムや諸形式によって
制度化さ れ,パターンづけられ,超個体的な存在に形成されるのである。」またGehlen,A.
(1961)13)の指摘によれば,人間は衝動過剰な欠陥存在である。このような主張を前提とすれ
ば,現代的状況においては,性の衝動の解放が,身心が不調和で人格的に未熟な段階で行な
われる危険性が高いのである。
上述の危険性 は,特に男子にあてはまるよラである。男子の性は能動的であり,精通初発
後直ちにその性衝動は欲求化する 。Kinsey,A.C.(1950)17)に
よれば,男子は精通後一年以
内に何らかの形で定期的な性行為を営むようになるのであ る。男子の精通はまさに,その後
の性行 動,性生活の出発点であり,男性としての自己確認の第一歩であるといえよう。この
具体的な性行動の開始という側面におい て,男子の青年期は,女子の青年期よりも,意味深
いものである 。これに比べ,女子の青年期における性衝動の解発は,男子ほど明確ではな
い。
生理的性成熟の開始 は,男女でそれぞれ異なった意味を持ち,個人の発達に重要な影響を
与えるものであると考えられる。とりわけ,初潮と精通は,たとえ両者が,生物学的に,ま
た社会 ・文化的に,明確な受胎能力,授精能力の直接的な発現を示すものでなくとも,性的
成熟開始の指標として意義深いものといわなければならない 。初潮現象に関しては,その重
要度が従来から認めら れ,多くの資料が積み重ねられてきているが,男子の精通現象に関し
ては余り関心が寄せられていないのが現状である。
ここで は,女子の思春期における最も顕著な現象としての初潮に対応するものとして,男
子の精通現象を取り上 げ,従来,初潮の研究に用いられてきた分析法を適用することによっ
て,両者の相違,発達的意義を明らかにしようとする。
皿.問
題
点
本研究の主要目的 は,思春期における生理的変化として,女子の初潮に相応すると考えら
男子精通現象にいて
75
れる男子の精通現象に焦点を当てることにあ る。精通に関しては,これまで国内では澤田
(1975)26),多
田(1976)28>の
研究があ り,欧米でKinsey,A.C.(1950),Ramsey,G.V.
(1943)25)等の調査が散見される程度である。またKinseyの膨大な資料も既に現代的な資
料とはいえなくなっている。
従 来,男子の思春期にあって,女子の初潮に対応する現象はないとされる場合が多く7)16),
精通現象はどちらかといえば等閉視されてきた 。Ki且sey17)は,「これまで公にされた年少の
少年に対する研究に は,青年期における全発達中最も重要なものである最初の射精の発生に
関するデータ が,全く欠けていた」と主張している。この事情は現在でも余り変化していな
い。多くの青年期の研究書,思春期の性的変化を取り扱った文献においても,精通現象はほ
とんど言及されていない か,無視されている。発達加速の進行という現代的状況にあって,
男子の性成 熟,とりわけ精通に関する問題点は以下の通りである。
i)精通時期に関して
上述の様 に,精通に関しては,Kinsey等の研究を除いて綿密な組織的調査があまり行な
われておら ず,現在の平均的な精通年齢すら確実に把握されていないのが現状である。男子
の思春期を画するものとし て,精通時期の平均像を確認することが必要である。これまで,
身 長,体重等の成長速度ピーク年齢は,女子のほうが約2年早いため,精通の平均年齢も初
潮に約2年遅れるのではないかと考えられてきた が,精通と初潮の平均年齢の差を確認する
必要がある。この両者の年齢差は,女子の成長曲線が一時的に男子のそれを上回る交差現象
ととも に,思春期を理解する一つの鍵であると思われる。(図2参照)
女子初潮年齢 は,個人の発達的指標としてのみならず,発達加速現象を如実に示す指標の
一つとして知られてきている
。Tanner,J.M(1962)30)に
よれ ば,欧州諸国の平均初潮年齢
は,1830年代から1960年代にかけて10年に4ヵ月の割合で前傾し,現在13才前後にあると推
定さ れ,日本においても,昭和36年から昭和52年にかけて,13歳2.6ヵ月から12歳6.0ヵ月
に変化 し,短期間に著しい前傾傾向を示している27)。この日本の全国標本の平均初潮年齢12
歳6.0ヵ月は,日本の女性が世界的にみて1)16)最も早熟傾向を示す集団の一つであることを
示している。では男子精通年齢も初潮年齢と連動する形で,発達加速現象,特に世代差とし
ての年間加速現象を示 し,時代的に前傾しているのであろうか,いまのところ精通年齢の前
傾は確認きれていない。もっとも精通同様,男子の思春期変化の一つである,声変わりの年
齢が時代的に早まっているという指摘は存在する6)。
ii)季節効果(seaso且aleffect)
環境要因は人間の成長に重要な役割を果していると考えられる 。その環境要因の一つとし
て季節変動(seasoRalvariat ion)を
挙げることができよう。従来から来潮に関しては,日本
では8月,4月,1月
に多いという傾向から示されている が14)22)27),精通に関しては,全く
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資料が存在しない。初潮のような明確な季節変動が精通にみられるかどうか問題である。一
般 に,季節変動を問題にする場合,月単位で分析がなされる31)。ここでは精通の月別生起率
の季節的変動を季節効果と称する。
iii)初発形式について
精通現象に は,初潮にはみられない初発形式の多様性があり,様々な契機によって精通が
生起する可能性を有している。このため,Ki皿sey報告のように,自慰形式が多数を占める
の か,それとも,日本独自の傾向が存在するのかが不明確である。きらに,この初発形式の
多様性 が,心身の発達にどのような影響を与えているかが問題となる。
iv)精通と身体発達
性成熟と青年期成長スパートが関連していること は,動物においても指摘きれており5)32),
初潮と青年期成長のスパートの関連につれてしばしば分析がなされてい る。このため精通と
身体発 達,特に青年期成長スパートの関係を分析する必要がある。これに関しては,澤田
(1975)26)の研究があり,以下にその要約を述べておく。
a)男子精通現象における初発形式の差異と個人の体型には相関がある。自慰初発形式は
肥満傾向であ り,遺精初発傾向は調和的成長加速型,夢精初発形式は成長遅速型で痩長傾向
にある。
b)男子精通年齢は,その初発形式により差異が示唆きれる。精通年齢の早遅は,自慰初
発形式では体重成長と体型と相関す る。夢精初発形式において,精通の早遅と身長成長と体
重成長と相関する 。これら自慰,夢精初発形式と身体成長の関連は女子の初潮の場合と類似
した傾向を示す 。これに対して,遺精形式における体型と精通時期の相関は,初潮の場合と
逆 に,痩長体型に傾くほど初発年齢が早い。
c)自慰,及び遺精初発形式においては,精通時身長,体重は精通年齢によって大きく変
化する。夢精初発形式においては,精通時身長,体重は,精通時年齢の早遅によらずほぼ一
定の水準であった。
d)精通年齢と身長,体重の成長速度ピーク年齢は正の相関関係にある。初発形式別にみ
る と,身長と体重ともに正の相関関係を示すのは自慰初発形式のみである。身長に関しての
み夢精初発形式においてこの正の相関関係が認められる。
e)男子の精通年齢,とくに自慰初発形式に特徴的なことは,身長,体重の最大発育年に
精通が多発することである。
以上の結果を再確認すること も,本研究の目的の一つである。体型の分析には,やはり澤
田(1975)に
従 い,肥痩係数もしくはLivi指数の変形(103・ザ体重(kg)/身長(cm)を
用いナこ。
男子精通現象にいて
77
皿:.方
法
本研究は昭和52年から56年にかけ て,質問紙法によって調査した以下の資料を分析したも
のである。
i)調査内容
生年月日と精通の有 無,またその時期(初発年齢)と初発形式(自慰,遺精,夢精,その
他)を調査し,同時に小学校以来の4月定期身体検査の結果を身体成長の資料として得た。
iD調査対象と調査時期
調査対象は以下の中学校3年生男子の全員である。
Yu中学(愛媛県松山市)
Es中学(岩手県江刺市)
To中学(熊本県熊本市)
Yo中学(鹿児島県鹿児島市)
Fu中学(和歌山県和歌山市)
N=228名,昭
和52年4月
~5月(女
子
.N=184名)
N=125名,昭
和52年6月
ん8月(女
子N=104名)
N=57名,昭
和52年7月(女
子N=51名)
N=237名,昭
和53年3月(女
子N=193名)
N=92名,昭
和56年1月
~2月(女
子N=97名)
本論文では主にYu中学の分析結果を用いた 。なお各調査ともほぼ同時に女子の初潮調査
を,中学3年生全員に実施している。また精通の時期に関しては,昭和53,54年に人間科学
部行動学研究室が実施した「生活意識調査」(調査A)と「青少年の性に関する意識調査」
(調査B)から,小学6年生から中学3年生の資料を附加した注1)。季節効果の分析では調
査Aの小学6年生より大学生の結果を累積したものを用いナ こ(男子1,179名,女
子1,355
名)。
IV.結果と考察
i)初発形式について
精通は初潮と異な り,様々な初発形式を伴なうのがその特徴である。本研究では,自慰,
遺 精,夢精,その他の4項目で質問したため,分析は自慰,遺精,夢精の3項目について行
なっだ 。Khlsey17)は初発形式についてきらに細かく,自慰,夢精,異性との性交,同性愛
的接 触,自然的射精,クライマックスに至る愛撫,他の動物との接触を挙げている。
射精 は,その契機によって2種に大別きれる。一つは,自慰と性交によって代表きれるも
の で,随意性,能動性を伴なうものである。他は初潮同様本人の意志とは無関係に,いわ
ば生理 的,自然発生的に射精する場合で,これには遺精と夢精がある。遺精(i且volUIltary
78
emissio且,diurnal pollution)に
は,覚
醒時遺 精,昼間遺精があり,これはわずかの物
的,精神的な性刺激によって射精するものである。夢精(nocturnalpollution,皿octurnal
emission)は,睡
眠中に自然に射精が生起するもの で,通常,性夢(sexualdream)を伴
なうといわれている。これら初発形式の多様性が,身心の発達に何らかの影響を与え.ると考
えられる。特に精通に際しての意図性,能動性の有無と程度が,重要であると思われる。図
1は,本
研究の初発形式の分類結果と比較資料を図示したものである 。本資料に限れば,自
慰形式は少ないもので は,To中の2.1%,多いものでもFu中の42.4%にすぎな㍉㌔遺精
自↓慰
遺↓精
夢↓精
その他
ウ
Yu中
(愛媛)
16.3%
37.6%
44.7%
//1.4%
一
/43!
N=141
Es中
(岩手)
N=93
To中
(熊本)
8,3
79.2
2・T
、
10.4
N=48
Yo中
(鹿児島)
囲
86.6
口
」
3
一
3.0\
N=194
Fu中
(和歌山)
}1
17.713.1
N=66
Kinseyl7)
68.4
8
0
N=3588
日本性教育協議会
42.5
3
6
48.9
ヨ
目
]
2
N=2469
26)
澤
田
27.5
14.5
26.1
31.9
Nニ69
28)
多
田
43.6
54.9
ll・一912
1.4
図1精
通の初発形式
男子精通現象にいて
79
形式 は,Yu中の資料を除いては,少数例が多い。これら自慰,遺精に対して,夢精は各申
学とも多 く,44.7%から86.6%まで分布している。
Ki鳳seyの報告で は,米国では約%が自慰によって精通するが,本資料ではFu中の42.4
%が一番多く,多田(1976)28)の資料の43.6%にしても自慰は全体の半数に達しない。逆に
Kinseyの
資料にくらべて多いの は,夢精である。どの調査事例でもKinseyの値を下回る
ことはない。
日本において は,標本差もかなり大きいが,自慰形式が少なく,夢精形式が多いといえよ
う。ただし,Willoughby,R.R.(1937)33)も
指摘しているよう に,自慰群の数値は最低限の
値と見るのが妥当であろう。
ii)精
通時期について
先に述べた様 に,女子の初潮年齢に関しては,古代より関心が持忙れ2),現代においても
日本国内はもとよ り,世界各地でデータが収集されているが,精通時期に関してはその平均
像すらつかめない状態である。
本資料で中央 値(Median)を確認できた4中学の数値と,意識調査の際に得た精通の有
無 をProbit法8)によって計算した結果(精通率50%年齢)は以下のようである。
Yu申学(3年生)
To中学(3年生)13歳9ヵ
月
Es申 学(3年生)13歳10ヵ月
Yo中学(3年生)14歳1ヵ
月
調査A(小6一
申3)14歳3ヵ
月
調査B(小6一
中3)13歳10ヵ
月
14歳1.5ヵ
月(初潮
潮
潮
潮
潮
潮
初
初
初
初
初
(
(
(
(
(
12歳5.5ヵ
月)
i2歳4ヵ
月)
12歳4ヵ
月)
12歳9ヵ
月)
12歳6.5ヵ
月)
12歳6ヵ
月)
精通年齢の中央値 は,早いもので13歳9ヵ月,遅いもので14歳3ヵ月であった。これらの
数値から日本全体の平均値を推測すれ ば,13歳の後半から14歳の前半の間にあり,ほぼ14歳
前後に位置すると考 え.られる。これらの精通年齢はKinsey資料の13.77歳,Ramsey資
料
の13.8歳に比べてやや遅い程度であるが,本調査と彼らの調査とは調査時期に30年以上の時
聞差がある 。30年以上の時代差がありながらなお,本調査の精通年齢がアメリカに比して遅
いということ は,発達加速現象の進行を想定するとき日本の男子少年の性的成熟は相対的に
遅いとの結論を得る。
精通年齢 と,同時に調査した初潮年齢との年齢差は,1年4ヵ月から1年8ヵ月の間に分
布 し,平均的には」約1年半であるとみられる。精通年齢は,成長速度ピーク年齢の男女差
約2年を考慮すれ ば(図2参照),約半年前傾しているともいえる。なお本資料の精通年齢
80
身cm
∵
140卜
130
120
110
年cm
問8成
盤6
里
4
♂
2
0
♀
7891011
121314満
年齢
♂
♀
7891011121314満
年齢
図2身
長成長曲 線(上)と成長速度曲線(下)
と初潮年齢の間の相関 は,0.61で有意水準には達しないが,同地域にあっては,初潮と精通
の早遅は対応関係にあると考えられる。
上記の精通年齢 は,初発年齢を考慮しないで得られたものであるが,初発形式が精通の時
期に影響を与えると考えられる。そこで,Yu中の資料から初発形式別に平均精通年齢を求
めてみると以下の様になる。
自慰群
遺精群
夢精群
13歳1ヵ
月
13歳5ヵ
月
13歳8ヵ
月
(SD=11ヵ
月
(SD=10ヵ
月
(SD=9ヵ
月
N=23)
N・=48)
N・=59)
男子精通現象にいて
81
これらの数値 は,既精通群内での平均値であり,調査段階では未精通群が存在するので,
各初発形式とも最終的に は,平均精通年齢は後傾すると考えられる。しかし,Ki亘sey報告
同 様,自慰群の初発年齢が相対的に低く,夢精群が高い傾向が見られる。Yu中の精通年齢
の中央値 は14歳1.5ヵ月であり,これはKinseyの13.77歳に比較して遅い。その一つの原
因はYu中における自慰精通群の少なさにあると考えられる 。逆に,精通年齢と初潮年齢と
の時差(1年8ヵ
月)が,成
長速度ピーク年齢の時差(約2年)よ
りも4ヵ月早くなってい
るの は,自慰群の存在の影響が大きいためと考えられる。
iii)精通と身体成長
ここで は,精通時期と身体成長の関連を検討する。
a)成長速度ピーク年齢と精通年齢
表1最:大
発育 年(PV)と精通年齢の分布
自慰副
一・一・i一・pvl・・+・+・i+・
身長
座高
体重
胸囲
1
1
1
4
3
7
8
7
7
4
4
1
2
1
1
遺精群「・1一・1一・1・V+・+・+・i・
・
身長
座高
体重
胸囲
1
1
1
2
1
1
2
2
3
11
14
16
13
16
13
11
13
7
4
4
5
2
1
夢精群
一 ・i一・1一・!・vl・・i・・i・・1・・
身長
座高
体重
胸囲
1
6
10
7
9
10
14
21
17
14
6
5
5
4
4
2
2
1
1
1
表1は個人別 に,身長,体重,胸囲,座高の各最大発育年(PVと略)と,精通のあった
年度との関係を見たものである。例えば,自慰初発形式では,身長の最大発育年中に,精通
のあっ忙もの は,13名中7名であり53.8%を占める。自慰初発群では身体の最大発育年に
精通が多いようである。これが遺精群になると,身長では最大発育年に36名中11名(30.6
82
%),翌年に16名(44.4%)というように最大発育年の翌年に精通が多発する傾向があるが,
座 高,体重では最大発育年に多発する傾向がみられる。遺精群では身体の最大発育年から翌
年にかけて精通が多発する傾向にあるといえよ う。夢精群において,身長の最大発育年との
関係をみる と,精通は2年後がピークで35名申14名(40%)である。座高,胸囲,体重で
は,それぞれ最大発育の翌年に,40%,48.6%,60%の
割合で精通が多発している。夢精の
初発は身体の最大発育年の翌年に多発 し,初潮と類似した傾向を示す。
この個人の最大発育年と精通年の関係 は,集団における身体各部の成長速度ピーク年齢と
精通年齢の平均値を生起順に並べてみると理解できよう。
自慰群
身長成長速度ピーク年齢
座高成長速度ピーク年齢
精通年齢
体重成長速度ピーク年齢
胸囲成長速度ピーク年齢
遺精群身長成長速度ピーク年齢
座高成長速度ピーク年齢
体重成長速度ピーク年齢
胸囲成長速度ピーク年齢
精通年齢
夢精群身長成長速度ピーク年齢
座高成長速度ピーク年齢
体重成長速度ピーク年齢
胸囲成長速度ピーク年齢
精通年齢
12歳6.9ヵ
月(SD=10.1ヵ
月)
12歳8.8ヵ
月(SD=11.1ヵ
月)
12歳10.2ヵ
月(SD=10.6ヵ
月)
12歳11.5ヵ
月(SD=7.9ヵ
月)
13歳1.4ヵ
月(SD=7.8ヵ
月)
12歳8.0ヵ
月(SD=7.7ヵ
月)
12歳9.2ヵ
月(SD=8.3ヵ
月)
12歳10.7ヵ
月(SD=7.6ヵ
月)
12歳11.5ヵ
月(SD=7.2ヵ
月)
ユ3歳3.5ヵ
月(SD=10.2ヵ
月)
12歳3.9ヵ
月(SD=9.3ヵ
月)
12歳7.9ヵ
月(SD=11.4ヵ
月)
ユ2歳8.9ヵ
月(SD=8.4ヵ
月)
12歳1.7ヵ
月(SD=1年0.9ヵ
月)
13歳8.9ヵ
月(SD=6.5ヵ
月)
以上の様 に,遣精と夢精群では,体重成長速度ピーク年齢と精通平均年齢の間には,各々
約5ケ 月,10ヵ月の時差が存在し,身体の成長がピークを過ぎてから,精通が生ずるのが平
均的である 。しかし,自慰群のみが,座高と体重の成長速度ピーク年齢の間に精通が位置す
る。これは,いわば身体が最大の発育を示している真最:中に,精通が生ずることを示してい
る。
以上よ り,身体の最大発育時期と精通年齢の時間的前後関係は,初発形式によって異なる
とい え.る。遺精,夢精のように,自慰よりも能動性の少ないものほど,身体の最大発育期と
時差をおいて精通が生じることを示してい る。自慰では初発にさいし,充分な成長をまたず
男子精通現象にいて
83
し て,精通が生ずる可能性があるのに対して,夢精では相対的に充分な成長をみてから精通
が生起する傾向がある。夢精では,精通が最大発育年の翌年に多発するが,これは初潮がや
はり最大発育年の翌年に多発するのと同じ傾向であ る。男子精通現象にあって,夢精は初潮
同 様,自然現象に近いものであるといえよう。しかし,夢精形式を含めて,いずれの初発形
式において も,精通年齢と成長速度ピーク年齢の間には初潮年齢と成長速度ピーク年齢の間
にみられたような明確な正相関関係はみられなかった。
精通 は,とくに自慰という能動的行為においても,青年期成長スパートを無視して生起し
えない 。精通は,青年期成長スパートのピーク時の前後に生じるのである。発達加速現象の
進行に伴なう最大発育年の前傾 は,とりもなおさず最大発育年と並行して精通年齢も前傾し
ている乙とを示す 。ナこだし,精通年齢は上述のように,初発形式における自慰等の比率によ
って変化することが予想さ れ,最大発育年から簡単に引き出されるものではない。
b)精通年代と成長水準
初潮年代と身体成長水準との間に は,明確な相属関係がみられ,思春期前後にあっては,
身
長
㎝
170
160
150
140
130
120
110
既精通群
未精通群
7891011121314満
年齢
5cm
喬・
盛、
量
2
1
0
既精通群
未精通群
78910
.11121314満
年齢
図3身
長成長の比 較:既精通群と未精通群
(上=成長曲線,下:成長速度曲線)
84
身cm
長170
160
150
140
130
120
110
身cm
長1フ0
160
150
140
130
120
110
/
~12歳代自慰群
13歳代以降自慰群
巳
一__一_一_一___
7891011121314満
年齢
図4自
慰群
精通年代別身長成長曲線
~12歳代遺精群
14歳代以降遺精群
13歳代遣精群
L一
7891011121314満
年齢
図5遺
精群精通年代別身長成長曲線
男子精通現象にいて
85
身cm
長170
160
150
140
130
120
110
7891011121314満
年齢
図6夢
精群精通年代別身長成長曲線
初潮年齢の早いものほど身体成長水準が高いことが指摘きれてい る14)。精通年代と身体成長
水準の関係においてそのような相属性が存在するかについて検討す る。図3~6では,精通
年代と身長の成長水準の関係を呈示した。
図3は,既
精通群全体と未精通群全体の身長の成長過程を比較しだものであ る。明らかに
既精通 群(早期精通群)のほうが未精通群(後期精通群)より成長水準が高く,思春期成長
スパートのピークの時期も早い 。この既精通群を初発形式別にわけ把ものが図4~6である。
初発形式の如何を問わ ず,12歳代までに精通のあったものは各年齢段階とも,13歳代以降の
精通者にくらべて成長水準が高い傾向があ る。ただし遺精群と夢精群では,13歳精通群と14
歳精通群の間で成長水準が逆転してい る。わずかではあるが,14歳精通群のほうが13歳精通
群の成長水準を上回る傾向がみられるのであ る。勿論成長水準の低い未精通群の申には,調
査時点以降14歳代で精通が生じるものもいると考えられるので,図5,6の14歳
代精通者の
成長水準は確定したものではな く,多少低下することが考えられる。しかし,14歳代精通群
の成長水準は少なくとも13歳代精通者の成長水準より大幅低下することはないと考えられる。
このようにみる と,男子の精通はある年齢を境として,精通に際しての身体水準の関与の度
86
合に差があることが予想きれる。なお女子の初潮現象では,来潮年代によって肥痩係数の年
齢推移も明確に区分きれる傾向がみられナこ が14)27),精通現象における精通年代と肥痩係数の
関係は不明確であっだ。以上の精通年代と成長水準の関係は,体重,胸囲,座高においても
ほぼ同様の傾向であった。
c)臨界水準
男子の精通現象におい て,女子の初潮現象における体重,胸囲の臨界水準的9)10)14)なもの
が存在するかどうかは興味深い問題であ る。これは女子の身体成長と初潮の関係にみられる
成長 ・成熟の相属性が,男子の精通現象にもみられるかどうかという問題に係わってくる。
言い換えれ ば,男子の性的成熟にあっては,常にその能動性,意志性というものが問題にさ
れる が,これはそのような能動性,意志性がどこまで,身体性を脱却しうるかという問題で
もある。
次 に,女子初潮におけると同様,既精通者の精通年齢(tE)と精通時成長水準の回帰直線
を求める。(Yu中資料)
精通時身 長(cm)=143.10÷4.46(tE40)
精通時体重(kg)=34.39十3.25 (tE-10)
精通時胸囲(cm)一66.83+2.23 (tE-10)
精通時座高(cm)=77.93十1.75 (tE-10)
精通時肥痩係 数=22.982-0.095(tE-10)
γ=.49***注2)
γ=.42***
γ=.39***
γ=。35***
γニー.11
この結 果,次のようなことがわかる。初潮においては,初潮時身長・座高の値は初潮年齢
の早遅と正の相関関係をも ち,体重,胸囲は初潮年齢の早遅と無相関で有意な変化を示きな
かった が14>,これに対し精通時身長,体重,胸囲,座高はすべて精通年齢と正相関をもつ。
精通年齢が増加するに従っ て,その時点での成長水準も高くなる。ただ精通時の肥痩係数は,
一定傾向がみられる
。肥痩係数は,身長,体重の二次的な指標であり,漸減して漸増するそ
の性質を考える と,直ちに臨界水準とみなすわけにはいかない。しかし,これに関する検討
は将来の課題であるといえよう。
このように精通現象全体に共通する臨界水準的なものは存在しないといえよ う。しかし,
澤 田(1975)26)では,夢精群が精通時体重一定傾向を示しており(図8参照),初発形式別に
みると臨界水準的なものを示す可能性があ る。この問題を検討するために,初発形式別に上
記回帰直線の分析を行なうと以下のようになっ た(図ワ参照)。
自慰群精通時身 長(cm)=152.23+0.40(tE-10)γ=.06
男子精通現象にいて
87
遺精群
夢精群
精通時体重(kg)=41。80+0.42 (tE-10)
精通時胸囲(cm)=70.20+0.86 (tE-10)
精通時座高(cm)=83.36-0.49 (tE-10)
精通時身 長(cm)=138.72+5.91(tE-10)
精通時体重(kg)=32.28+3.78 (tE-10)
精通時胸囲(cm)=65.51+2.44 (tE-10)
精通時座高(cm)=76.95+2.12 (tE-10)
精通時身 長(cm)=141.00十4.72(tE-10)
精通時体重(kg)=34.96十3.23 (tE-10)
精通時胸囲(cm)=68.55+1.90 (tE-10)
精通時座高(cm)=77.26十2.31 (tE-10)
γ=.08
γ=.20
γ=一
ユ1
γ=.66***
γ=.50***
γ=.42**
γ=.46**
γ=.46***
γ=.36**
γ=.32
γ=.36**
本資料(Yu中)に
よる と,自慰群の精通時身体水準は,精通年齢の早遅にかかわらず,
変化の度合が少ない結果となった 。しかし,別資料(Yo中)の身長,体重を分析してみる
と,以下のような結果がえられた。
自慰群
遺精群
夢精群
精通時身 長(cm)=129.55十7.77(tE-10)
精通時体重(kg)=30.21十4.26 (tE-10)
精通時身 長(cm)=138.34+4.70(tE-10)
精通時 体:重(kg)=33.03÷2.81(tE-10)
精通時身 長(cm)=137.65十5.02(tE-10)
精通時体重(kg)=27.62十4.87 (tE-10)
γ=.57(N=9)
γ=.31(N=9)
γ=.61(N=8)
γ=.49(N=8)
γ=.49***(N=129)
γ=.47***(N=129)
標本数が少な く,回帰係数は有意水準に達しないが,その値からいって,いずれの初発形
式にも臨界水準的なものを求めるのは困難であると思われる。
これらの結果と澤 田(1975)26)の結果,さらに上記精通時期と最大発育年の関係を考え合
わせる と,臨界水準的傾向を示す可能性が一番高いのは,夢精形式といえる。この夢精形式
に臨界水準的なものがみられない以上(図7,8),部
分集団で臨界水準的な傾向を示すも
のがあったとしても精通現象全体とし て,また初発形式別にみても,身長,体重のような直
接的な指標によっ て,臨界水準的なものを求めることはむずかしいといわなければならない。
むしろ臨界水準的な指標が存在しないことこそ が,男子精通現象の特徴であるといえよう。
それ 故,男子の精通は,その生起に際して身体発達からの束縛が初潮に比較して相対的に緩
和きれているとみなすことができよう。
88
精cm
通
時
身170
長
160
150
140
lE(遺精)
NP(夢精)
,,Me(初
潮)
∠MA(自
慰)
101112131415精
通年齢
図ワ精通時身長回帰直線
㎏
60
精
通
時
体
重
50
40
30
Yo中
.Yu中
To中
Es中
026)
Me(初潮)
1011121314
図8精
通時体重回帰直 線(NP:夢精初発形式)
15精通年齢
男子精通現象にいて
89
iv)季節効果
ここで は,男子精通現象に月別生起率に差があるかどうかを検討する。図9は調査Aの際に
得られた資料を用いたもので同調査の初潮の月別生起率を同時に示し た。これによると,精通,
初潮ともに月別生起率の分布に差があ り(Pr〈0.1%),季節効果がみられるといってよ㍉㌔
%
ー
「
15
月
ー
10月15%
!
汁
11月'1
」
、
、
'
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-19%
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II、
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月
1
L
、
L
2月1一
一5%
'
・τ
'
'
/6月
一10%'〆/
精通(N=1679)
一一一一一一初潮(N=1355)
5月
_15%
8月
4月
図9精
通と初期の季節効 果(月別生起率)調査A
8月,4月
の順に多発するの は,精通,初潮に共通しているが,精通は1G月,5月,6月
の生起率が初潮よりも高い。一方,初潮生起のピークの一つである1月の精通生起率は年間
を通して一番低い。
精通は一般的には4月から10月に多 く,11月から3月に少ないといえよう。身長,体重の
成長にみられるよう に,自然の環境要因として,温度,日光等が関係している可能性がある。
ただし,7月,9月
が前後の月より低くなっているのは興味深い 。例えば,試験のような年
中行 事,言い換えれば,社会的環境条件の影響を示唆している。初潮,精通ともに8月に最
多発するのは自然環境要因ととも に,夏休みの開放感,男子にあっては,環境からの性的刺
激の増大等の影響が考えられる。
90
このような季節効果 は,成長期における身長や体重の増加量にも指摘されており,身長は
春,体重は秋に増加量が大きいときれており30),この身体成長の周期の影響と初潮,精通の
生起率の間に相関があることも考えられ る。いずれにしても,初潮と精通にみられるような
季節効果 は,原因と結果の影響のはっきりしているものではない。しかし,人間の身体は,
成長過程におい て,栄養は勿論のこと温度の高低や日光量といった自然の環境的条件の変化
の影 響)29)30)とともに,社会的環境条件の影響を受けていることはまちがいない。
V.要
約
i)男子の精通年齢の平均は14歳前後にあると推定きれ,女子の初潮年齢より約1年半遅
れるとみられる。これは男女の最大発育年の時差約2年よりも,半年短かい。
三i)精通の初発形式では,Kinsey報告等に比較して,夢精が多く,自慰が少ない。この
初発形式の差が発達的に意味があると考えられる。
iii)精通年齢の分布,初発形式の比率の分布には地域差がみられる。同一地域内の初潮年
齢と精通年齢の間には相関があると思われる。
iv)既精通群は未精通群よりも成長水準が高い。既精通群でも,その初発形式によって身
体成長に差のある可能性がある。しかし,精通年齢の早遅と身体的成長の間には,初潮と身
体成長の間にみられたほどの相関はなかっアこ。
v)精通現象も,初潮同様,最大発育年との関連において生起する。自慰形式は,最大発
育年 に,遺精は,最大発育年とその翌年に多発する傾向がみられる。夢精は,初潮と同様,
最大発育年の翌年に多発する。青年期スパートと精通年齢との時間関係は,初発形式によっ
て差がある。
vi)精通には,全般として初潮時の体重にみられたような身体成長水準についての一定傾
向はみられない 。このだめ,精通に対する臨界水準的な指標は存在しないと考えられる。
viD精通に は,初潮と同じく季節効果がみられ,8月に最も多く,1月に最:も少ない。
女子の初潮現象がその身体的成長との相属性に特徴があるとすれ ば,男子の精通現象はそ
の初発形式の多様性と身体成長との相属性の薄さに特徴があるといえよ う。アこだし,男子の
精通といえども身体成長を全く無視しては生起しえな い。精通は思春期成長スパートの頂点
の周辺で生起する傾向がみられる。
発達加速現象に伴な う,性的成熟年齢の前傾現象は,発達途上において,より未熟な人格
段階で性成熟を迎える危険性をもたらしている が,この影響は男子にこそ影響が大きいと考
えられる 。男子にあっては,精通時における有意性,快感の附加,また初発後直ちに性行動
男子精通現象にいて
91
が欲求化するという特徴がある。結果として,前田(1973)21)が述べているように,青年期
の男子にあって は,人格全体に組み込まれない衝動の独走する可能性がますます高まること
となる 。しかしまた,それ故に,男子め性的発達の過程に,教育,社会,文化等の影響が大
きく存在する余地が残ってお り,準拠集団としての成人,仲間集団の責任もまナこ大きいと.い
えよう。
男子の性成 熟,とりわけ精通現象生起に関する研究は,男性の性生活の出発点という,発
達的な観点から一層推進されなければならない 。精通は,男性の性的同「性鷺いやおうなく
自己確認させられる現象である。このため,思春期における発達的指標としての精通の価値
を再確認する必要がある。
謝
辞
本研究を遂行するにあたり終始御指導を頂い た,前田嘉明名誉教授,故澤田昭教授,小野
茂教授に深く感謝致します。
〔注〕
1)両調査は,大阪大学人間科学部行動学研究室が発達力ロ速現象の心理学的砺究の一端として,女部省
の科学研究助成 金(一般研究B)の交付を受けて実施したものである〔研究代表前田嘉明教授(現
名誉教 授)〕。調査の概要に関しては,「青少年の性に関する価値意識の研究」,昭和53,54年度謝査
研究報告 書(人間科学部行動学研究室刊)を参照されたい。
2)*5%水
準有 意,**1%水準有意,***0.1%水準有意
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92
12)
13)
14)
15)
)
)
ρ
0
7
1
1
18)
19)
20)
21)
22)
23)
)
)
4
5
9
臼
9
臼
26)
)
)
7
8
n
乙
9
臼
29)
30)
31)
32)
33)
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ToshihikoHINOBAYASHI
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andgirls.Menarcheisconsideredasadistinctindexofadolesce皿tcha且gesindeve-
10pment,whiIethereisnocorrespondiロgphenomenon三nboys'puberty.
Theageandformoffirstejaculatio旦canbeal1量ndexwhichishighlyvariableand
sensitivetoavarietyofinternalandexternalfactors.
Inboys'developmelltfirstejaculatio且isthepheロomenonofcomやarativesignificance
withmenarche.Itshouldbestudiedmoreindetail,speciallyincolltextwithitsform.
1且theprese且trese arch,firstejaculationinJapa亘eseboyswasstudiedincompari一
.
sonwithmenarche. Themai且f三ndingsareasfollows.
1)The皿eanageoffirstejaculationisabout14years,whilethemeanageofme-
narcheisabout12.5years.
2)Themainformoffirstejaculationi且Japanisnocturnalpollution.Thenu皿berof
thecaseof皿asturbationisgenerallysmallerthanitwas showninkinsey'sreport.
3)Firstejaculat三
〇noftentakesplaceataboutapeakofthevelocityinbodiiygrowth.
Masturbationoccursilltheyearofthepeakvelocityinbodilyheightand,nocturnal
pollutionoccursinthenextyearofthepeakvelocity.
4)Thebodilyweightatthetimeofme皿archeisalmostconstantatabout41kg,
butforboysthereisIlbtsuchaconstantrelationbetweenthebodilyweightalld
theageoffirstejaculatio且.
5)Theoccurrenceoffirstejaculationchangesbyseasonaleffectlikemenarchedoes;
firstejaculatiQnoccursmostfrequentlyinAugust(.likemenarche)andleastfre-
quentlyinJanuary (unlikemenarche) .
ウエッブサイト:-------http://www.pdffind.com/pdf/3vglp/
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